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レモンの木に実がつかない?【考えられる3つの原因とその対策】

レモンの実がつかない!

実がつかないレモンの木

レモン栽培は、ほったらかしの方が結実しやすく感じました。

「え、でもまったく実が結実しないけど?」

地域性、気温や日射量、品種の違い、木の状態などがありますが、主に考えられる原因とその対策についてまとめました。

「もしかして、難しく考えすぎていませんか?」

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レモンの木に実がつかない原因と対策

レモンは、ほったらかしでも実がつきます。それなのに実がつかない原因として考えられるのは、次の4つのポイント。

  1. 鉢植えのサイズを一気に大きくした。
  2. 苗が弱っている(根詰まり・根腐れ・病虫害)。
  3. 肥料不足・過多。
  4. 剪定しすぎ。

それぞれについて、詳しくみていくことにしましょう。

鉢植えのサイズを一気に大きくした

鉢植えの場合、鉢内に根がぎゅうぎゅうに詰まっていると、栄養や水分を吸収しづらくなり気が弱ります。

そうなると花が落ちたり、実がつかなかったりしやすくなります。私の経験では、鉢植えの場合、植え替え等をしないと3年目は実がつかなくなりました。

「鉢は大きくしたけど、実がつかない」。

そのケースでは、鉢のサイズを大きくしすぎ(鉢増し)。地植した場合、その年と翌年は実付きが悪い傾向にあります(私の経験)。

鉢の形状

例えば6号サイズから10号に一気に4サイズアップすると、木はどんどん大きくなるけど、実がつきにくい感じ。果樹に限らず、根っこが伸びる空間が広いと、栄養を吸収しつつ木を大きくする栄養成長にスイッチが入り、実がつきにくくなります。

地植えしても、実付きが悪くなることも。

レモンの実が落ちた

レモンに限らず、イチジクやぶどうなども似たような傾向です。地植えの場合は2年目以降に実がつきやすくなります(品種にもよる)。

レモンの場合、鉢植えであれば2サイズアップまでに抑えると、実付きが良くなります。すでに3サイズアップしている方は、そのまま栽培すると翌年以降に結実する可能性が高くなります。

実付きを良くする方法として、根っこが伸びるのを押さえる根域制限栽培という方法も開発されています。鉢植えと地植えの中間的な栽培方法です。

ただし、次のような原因の場合は改善が必要です。

苗が弱っている(根詰まり・根腐れ・病虫害)

植え替えしていないと、実が落ちやすい。

レモンは成長が早いので、鉢内でも根をグングン広げていきます。根も太いので、根詰まりしやすくなります。根っこは底の方に集まっていくので、鉢の底面が根で詰まりやすくなります。

レモンの根

植え替え後、すぐに根が下に伸びる

鉢の中で根量が増え更に根が太くなると、土を圧縮してぎゅうぎゅうになり、水持ちや排水が悪くなったりします。これを根詰まりと言います。また酸素も不足気味になり根腐れの原因にも。これでは実をつけても落ちてしまいやすい。

鉢増ししたとき、排水性が低い用土だと根腐れ気味の可能性も!

私は排水性の良い用土を使っているので、いままで根腐れしたことはありません。ただし排水性が良いので、真夏や風が強い乾燥気味だったりすると、朝夕の水やりは欠かせません。

最近は真夏の酷暑日などでの保水性も考えて、過度な排水性は求めないようにしています。私の場合は、根腐れより水枯れが怖いので。

用土は私は下記のいずれかをおすすめします。

下記の数字は、それぞれの割合です。

  1. 赤玉土(小粒)7、腐葉土3
  2. 赤玉土(中粒)2、培養土8
    赤玉土(中粒)2、培養土7、腐葉土1でもOK。
  3. 鹿沼土(中粒または選別していないもの)2、培養土8
    鹿沼土2、培養土7、腐葉土1でもOK。

鉢底石は市販品を使いますが、毎年植え替える前提であれば、大粒の赤玉土や鹿沼土を底に敷き詰めてもOK。

ただし赤玉土は、次第に崩れていき排水性が悪化して、根腐れの原因になるので何年も植え替えしていない方はご注意を。軽石などは崩れないので、長期間の利用に最適。地植えする場合、排水性が悪いところでは軽石等を混ぜています。心配な方は鉢底石を使いましょう。

鉢植えの場合は、2年を目安に植え替えします。赤玉土も鹿沼土もやがて崩れて排水性が悪くなり根腐れの原因になるので植え替えの必要がでてきます。鉢を大きくするときは、2サイズアップまで。同じ鉢サイズにするときは、下の方の根を1/4~1/5くらいカット(のこぎり等でもOK)して、用土を足してもとに戻す。

YouTube『はむお菜園』チャンネルさんの、こちらの『【レモンの植え替え・鉢増し】必須作業 2022.9』の動画が参考になります。

【レモンの植え替え・鉢増し】必須作業 2022.9

鉢植えと鉢増しの両方のやり方を、実際の作業風景で解説されています。

※鉢植えの場合、新芽がでる前に鉢内の根の状態を確かめると安心です。例えば鉢底石変わりに敷いた赤玉土が崩れていたら、交換すると安心です。なお、赤玉土や鹿沼土は、少し高価にはなりますが、崩れにくい硬質タイプもあります。

病虫害

柑橘類は、病虫害も要注意。

  • アゲハ蝶  被害は大きい!
  • ハモグリガ
  • ダニ類
  • かいよう病
  • そうか病
  • 黒点病

春~夏にかけて、例えばアゲハ蝶が活発に産卵にやってきます。小苗で葉っぱが少ない木なのに、幼虫にむしゃむしゃ食べられると、木が丸坊主になってしまうことも。そうなれば、実がつかないというレベルではなくなります。

レモンは樹勢が強いので、葉がほとんどなくなっても、新芽がまたでてくる強い樹木ですが、翌年の影響はでてくるので対策は重要です。あらかじめネットで囲うか、気づいたら卵を除去しましょう。ちなみに卵は取り除いても、次々に産みにやってきます。

多いときで鉢植えの小苗に、合計で100個以上も産卵されたことも。私の場合は病気で木が弱ったことはありませんが、症状に合わせて農薬などの使用も。

参考文献を後述しています。>> こちら

肥料不足・過多

迷ったらIB化成をまずは使いましょう。

IBのチカラ

鉢植えで難しいのは施肥。どれくらいの量の肥料を与えれば良いのかが分かりづらい。これは果樹全般に言えます。

鉢という限られた空間では、肥料を求めて根が広がることもできません。そのため肥料不足になると新芽も伸びず花も落ちやすく、実も落ちやすくなります。仮に結実しても実が大きくならない。

レモンは肥料食いの果樹なので、そこそこの肥料を与える必要があります。とはいえやり過ぎると、アブラムシなど害虫が集まりやすくなりますし、肥料過多は、肥料焼けを起こし葉が焼けたように枯れていきます。最悪、追肥の数日後に木自体が枯れてしまうことも。

そこで心配な方は、肥料を小分けにして少しずつ与える方法です。1回で与えるつもりの量を、3回ぐらいに分けて1~2週間おきに肥料を与えます。

また化成肥料でも、緩効性肥料を与えると比較的、肥料焼けを起こしづらくなります(やりすぎは厳禁)。葉を観察して、葉色が薄くなってきたり春の新芽の伸びが悪い場合、梅雨時期に伸びる夏芽が少ない場合は、肥料不足の可能性があります。

おすすめ

笑顔で指さし これ

肥料の種類に迷ったら、まずはIB化成を使ってみましょう。

大抵のホームセンターや園芸店などで、IB化成は手軽に入手できます。

ちなみに化成肥料、固形肥料の形が崩れていなくても、すでに肥料効果がなくなっている可能性も。一般的な化成肥料は1ヶ月もすると効果がなくなります。数か月持つ、コーティングされた肥料もありますが、価格は少しお高いです。

果樹栽培で施肥が一番、難しいと感じます。

剪定しすぎ

いまレモンの木の葉数は、何枚くらいありますか?

初心者が失敗しやすい例として、剪定のしすぎ。

良く本やYouTubeで『木の真ん中に太陽光が入りやすくするため剪定をしましょう』みたいな解説があります。迷ったら剪定しましょうとか。

ところが初心者の方でホームセンターで買ってきたばかりの苗は、いわゆる『小苗』と言われる小さな木です。1年、鉢植えで栽培してもまだまだ小さな木です。

ポイント

木が小さいうちは剪定よりも、葉数を多くしてたくさん光合成させて、根っこに栄養をたっぷり蓄えさせるのが重要。

剪定は根に栄養がしっかり蓄えられてから、剪定していけばOKです。その頃になれば、剪定できる木のサイズになっています。

よほどの大苗か、枝が茂り過ぎた苗以外は、1年目の剪定は必要ないです。

レモン1つならせるためには、葉数は最低25枚は確保したいところ。制定しすぎると、葉数がどんどん少なくなり、実を大きくするだけの栄養分が足りなくなり、花がとんだり実が落果して実がつかなくなります。

「でも、みんな剪定しろって言ってるけど?」

木は誘引してある程度は樹形を整えることができるので、切るのは最後の手段だと思ってください。とくに若木の場合は。

YouTube『東京都島しょ農林水産総合センター』チャンネルさんが、『レモンの整枝剪定(リスボン_若木』を例に、4年生の大きめの木の剪定と樹形を整える誘引について実例を踏まえて解説されています。

⑤レモンの整枝剪定(リスボン_若木)【東京都島しょ農林水産総合センター】

木のサイズは違いますが、まずは剪定ではなく誘引で葉数を残せないか検討してはいかがでしょうか?

まずは木を大きくすることを最優先に。枝を切ったら元に戻せないですから。くれぐれも慎重に。

まとめ:レモンの木に実がつかない原因と対策】

  1. 植え替えるなら2サイズアップまでに。
  2. 排水性と保水性を兼ね備えた用土を使い、木を弱らせない。
  3. 肥料不足・過多に注意し、肥料はIB化成など緩効性肥料を少しずつ与える。
  4. 剪定しすぎず、できるだけ誘引して葉を残す。

レモンの栽培は、それほど難しいテクニックは必要なく、地植えであれば『ほぼ』ほったらかし状態でもたくさんの実をつけてくれます。

鉢植えは水やりが大変かもしれませんが、ガーデニングが好きな方なら苦にならないと思います。私は現在、地植えと鉢植えの両方で楽しんでいます。

参考文献

千葉県ホームページ:農林水産技術会議 技術指導資料 平成26年3月 レモンの栽培技術

参考 https://www.pref.chiba.lg.jp/ninaite/seikafukyu/documents/h25-5-lemmon.pdf

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