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挿し木で失敗する4つの原因とは?【成功事例付き】

右側のポットは、挿し木に失敗。

挿し木の失敗事例

これまで私が実際に挿し木、挿し芽、緑枝挿し、休眠挿し(休眠枝挿し)を数百本やった中でうまくいかなかった原因で、気づいたことがあります。

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挿し木に失敗する理由

  1. 穂木が乾燥した。
  2. 穂木が動いた。
  3. 穂木の状態が悪い。
  4. 水の管理が不適切

発根しなかったのは、主にこの4つでした。

乾燥が原因

水やり不足で穂木が乾燥し、慌てて水を与えましたがすでに穂木がダメになっていて水を吸い上げることができず枯れました。水やりをちょっと控えた方が、発根がよくなるという情報があり、片方を試したら枯れました。

ポットでの挿し木(緑枝挿し)の失敗事例です。

挿し木の失敗事例

またありがちな失敗事例としては、ポットの底から鹿沼土が抜けてしまい、穂木の下の方が空洞になっていて、水を吸えずに枯れてしまうケース。

水やりを忘れたり、急なお出かけで水やりできなくなったら、穂木が乾燥して枯れます。

もし出かけることがあらかじめ分かっている場合、穂木が乾かないよう底面から給水したり、自動潅水、あるいは乾燥防止にラップみたいなもので覆うなどの対策で、乾燥を防ぐことができます。ただし高温になる恐れがあるので、真夏は注意が必要です。

【寒冷紗】で成功した事例

乾燥する理由の1つとして、太陽光(直射日光)が強い場合。真夏に限らず、4月、5月でも地域によっては30度を超える気温になることも。

そもそも太陽光に半日も当たれば十分。そこで太陽光の光を遮断するため寒冷紗を使い光を弱めました。

寒冷紗と挿し木

寒冷紗はダイソー(百均)のもので十分。直射日光が一日中、強くあたるところなら、70%くらいの遮光率のものを選びます。半日くらい当たるところであれば、50%のものでOK。

挿し木はある程度は太陽光がないと、葉っぱが光合成できず発根も遅れ栄養不足になり穂木が枯れます。

適切に寒冷紗を使えば、成功率がかなりアップします。

※真冬に室内で休眠挿しされる場合には、寒冷紗は必要ありません。むしろ寒冷紗に太陽光を減らすと失敗の原因に。

穂木が動いて失敗

風は大敵。

挿し木と風

穂木が太いこともあり、風の影響を受けやすくなります。春の突風や強い雨で穂木が動き発根したばかりの穂木が倒れたり、根っこが切れたり。

穂木をポットの中心から『ずらし』ています

そもそも風が強い日が続いて、穂木がぐらぐらしていると成長も遅れます。これは苗を植えるときでも同じ。

また休眠挿しの場合、葉が出てから遅れて発根します。イチジクは葉が大きいので、風や雨の影響も受けやすくなります。

風や雨除けは必須。

ちなみに寒冷紗を設置すれば、風や雨から穂木を守る効果も期待できます。

私の場合、背の高いプランターにポットを入れて挿し木しています。このようにすればある程度は長い穂木を使っても、横風も防げますし寒冷紗も設置しやすくなります。

長い穂木を使ってテスト

これらの方法で、ほぼ環境を整えられます。これをしても失敗する場合は、穂木の状態に問題があります。

あ、水やりのときシャワーの勢いが強すぎて、穂木が倒れてしまいました。水量はほどほどに。

穂木の状態が悪い

挿し木予定の木の場合、前年の秋に追肥をしましょう。

穂木に栄養が不足していると、途中で葉が枯れて落ちて枯れてしまう。ただし、これは目に見えないので推測です。弱ってる苗の穂木は、成功率が低いと感じています。

挿し木の穂木(いちじく)

休眠挿しの場合、葉がないので穂木に蓄えられた栄養分を使い新芽を出しますが、この穂木に栄養が十分に蓄えらえていないと、新芽を出すときに力尽きて枯れてしまうことも。

新芽(新葉)がでて葉が大きくなれば、光合成をしてその栄養で、根を出し新芽を大きくすることもできますが、新芽を出してすぐに栄養分が切れてしまうと、光合成があまりできずに失敗します。

化成肥料 8 8 8(窒素 リンサン カリ)

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挿し木予定であれば、前年の秋に御礼肥(おれいごえ)または御礼肥えという名の追肥をすると、枝に来年の春以降に新芽や根を伸ばすのに使う栄養をたっぷり蓄積してくれるので成功率もアップします。春に木の伸びが悪い場合、前年の栄養が不足していた可能性があります。

休眠挿しが失敗したら、新芽がでたら余分な芽を剪定で落とすときに、その枝を使い緑枝挿しします。その場合でも、3月頃に肥料を与えておくと、穂木に栄養が少しでも蓄えられて成功率がアップします。

穂木のサイズのおすすめ

果樹などの種類によって変わりますが、穂木のサイズは、おおむね鉛筆サイズ以上で長さが10cm以上~15cm以下くらいであれば、いろんな果樹で有効です。

穂木について

穂木は、充実した穂木が失敗しづらい。ただし枝が太いと新芽が出るのが遅く心配になります。

一般的に割りばし以上の枝であれば、成功しやすくなります。人によっては、枝の先端部分をカットされる方もいらっしゃいますが、私は緑枝挿しでは構わず使っています。

イチジクの穂木(休眠挿し)

イチジクの穂木・休眠挿し
2月頃の様子(室内)

穂木は2節あり、10~15cmくらいの枝を使います。長い(例えば30cm)と風の影響を受けやすいのでおすすめしません。

長い穂木は、水やりのときに倒れやすく、気を使うことが増えるので私は使わないです。ただし30cm以上の長い穂木でも、半分くらいを畑に挿するのであれば、風の影響を受けにくいので問題ありません。ただし水やりのときに、穂木に当たって倒さないように注意してください。

節の1つは土の中にあると、発根しやすくなります。根っこは節の周辺から出やすいです。

もし一文字仕立てにしたい方は、3節のものを使い2節から新芽がでてきたら、それを左右に伸ばして大きくしていくと、1年目から一文字仕立てにしやすくなります。

水管理

発根するまで、穂木が乾燥すると枯れてしまうので要注意。ただし加湿過ぎても、穂木がカビて腐ったりします。

挿し木したら、翌日まで受け皿などに数センチくらい水を入れて、そこにポットを漬けておくと成功率が高くなります。

挿し木と水あげ

もし雨が数日降らなければ、私はそのままにしています。徐々に水が蒸発してなくなりますが、それでOK。水やりできないときなど、私はこの方法でやっています。

数日過ぎたら水をすてて、本格的に水管理をします。

水管理は、乾きすぎず湿り過ぎずです。ただ鹿沼土の細粒を使っていれば、毎日、水やりしても加湿にはなりづらい。真冬に室内の暖房の効いた温かい窓際で管理すると乾燥しやすいので、水やりは忘れないように。

梅雨時期の緑枝挿しは、雨が多いので晴れた日以外は水やりをそれほどしなくても大丈夫です。目安としては、表面の鹿沼土が乾いて白くなってきたら水やりします。

このように場所や季節等によって、水の管理は変わります。

まとめ:挿し木で失敗する4つの原因

これら4点が私が挿し木して、失敗した理由として紹介したポイントです。

  1. 穂木が乾燥した。
  2. 穂木が動いた。
  3. 穂木の状態が悪い。
  4. 水の管理が不適切

これ意外にも細かな原因はいくつもあると思います。例えば気温が高すぎ、低すぎたり、病気で腐ってしまったり。

あとは屋外で夜の間に、せっかく出てきた新芽をナメクジ等に食べられて枯れてしまうケースもあります。

成功率100%ではないので、余裕をもって穂木の数を用意しましょう。たとえば地植えしたときの予備に、1本鉢植えにしたい場合でも3~5本くらいの穂木を用意しましょう。

庭がイチジクだらけ

私の場合、失敗すると半年遅れるのが嫌なので、必要なのは1本なのに10本挿し木したら、9本成功してしまい、置き場所に困り庭が大変なことになってしまいました。こんなことを複数の品種でやってしまっため、20本以上の苗が庭にあふれてしまいました。

くれぐれも増やすのは、計画的に。

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