イチジクの芽かきの間隔は、80cmがベスト。(密植で誘引なしの場合)
品種や人によっても異なりますが、1つの目安です。
基本はお互いの葉が触れるギリギリくらいの間隔で、芽かきを行うのが無理なくおすすめ。葉が風でこすれ合うと、そこから病原菌が侵入しゃすくなりますが、広すぎると収量が減ります。バランスが大切です。
この記事は、プロ農家ではなく個人が家庭菜園レベルで、イチジク栽培を楽しむために書いた内容で、収穫量を考慮しつつ栽培のしやすさにも焦点を当ててまとめた内容です。
芽の間隔は狭くできる
スペースに限りがある場合で、一文字仕立てにするため真上に枝を伸ばすと、葉が触れ合わない間隔は葉の2倍程度(およそ80cm)になります。これくらいが理想の間隔。
もう少しスペースに余裕がある場合は、後述の仕立てを参考になさってください。
芽の間隔80cmの根拠
超密植栽培で株間が80cmに設定されています。調べていくと、その根拠は葉のサイズだと推測できます。品種により異なりますが、下記は桝井ドーフィン。写真の白いのは、卵のカラを細かくしたもの(カルシウム)。
枝の間隔や超密植の場合の根拠が、この葉の大きさです。下記は幹から葉の先までの寸法を測った代表的な数字です。
これらの研究や論文等から、一般的に葉の大きさが目安になっていることが分かります。葉が重なりあうと光合成の効率が低下するからです。
つまり葉のサイズが、芽かきの間隔や株間の計算の基準に。これはぶどうなど葉の大きい果樹でも同様。
商業的に栽培されているプロ農家さんは、一文字仕立てが主流(桝井ドーフィン)。近年では、早期収益や寒さ対策、いや地(連作障害等)の解決のため、超密植栽培(株間80cm)の研究もされ、すでに実用化されています。
収穫量が倍増
スペースに余裕がある場合には、枝の左右に芽をださせれば、葉のサイズ程度に狭くできるので、単純に枝が2倍とすると収穫量も2倍にすることも可能です。
下記は葉の数を減らして、枝の間隔を分かりやすく表現したイラストです。枝どうしが80cm程度離れていればOK。
間隔を広くするメリット
- 収穫量は減ってしまいますが、芽の間隔を広くするメリットもあります。
- 太陽光が十分にあたるので光合成の効率が高くなります。
- 誘引などの手間も減ります。
- 病害虫の対策に。何か異常があると株間、枝の間隔が広いと発見しやすいからです。例えばカミキリムシがいても、葉が生い茂っていると発見するのが難しくなります。
- 葉っぱと実がこすれるのも減らせます。
地植えの一本仕立ては剪定の簡単で、樹形は1年で完成するので、翌年からは収穫が期待できます。苗の本数が必要になるデメリットはありますが。挿し木できる品種であれば、簡単に増やせます。
参考文献
論文や研究レポートなどを確認しましたが、その一部をこちらで紹介します。
- イチジクのいや地と低温障害からの早期回復のための超密植栽培(PDF)
- イチジクの密植株仕立てによる栽培適地の拡大-イチジクの密植株仕立てによる栽培適地の拡大-茨城県農業総合センター園芸研究所 2010年12月1日 No17(PDF)
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。