接ぎ木初心者向けに、接ぎ木ハサミがあるのを知り実際にやってみたら、意外と簡単に成功しました。ただし失敗した例も。なぜ失敗したのか、詳しくまとめました。
このハサミ、プロが数千本とか一度に大量に接ぎ木するときに使う機械、その刃とその周辺の構造を似せて作っていると思われます。
参考 【菊地園芸】100種類以上のぶどう苗木を扱うプロに色々きいてみた(YouTube)
あの動画内で紹介されていたドイツ製の機械を、趣味の園芸で使えるようにしたのが接ぎ木ハサミだと推測。構造的にはプレスの型抜きみたいなイメージ。お菓子作りでいえば、クッキーの型抜きを、ハサミにしたような構造。
さすがにプロの数百万円?する高級な機械しゃないので使い勝手は違います。実際に使って分かったメリットもあるけど、デメリットも気になりました。
接ぎ木ハサミについて
接ぎ木ハサミを使う一番のメリットは、接いだ部分が膨れ上がらないということ。割り接ぎなどをすると、こぶのようになるので見た目が気になります。
接ぎ木は枝が3~8mmに対応しています。これ以上太い枝は、割り接ぎなどハサミを使わない方法でする必要があります。
まずは接ぎ木ハサミの簡単な使い方を紹介します。刃が3つ付属していて、初期は中太の枝用が装着されてると書かれていますたが、私のものは細い枝用が装着されていたので、確認してください。刃の形状、厚みを比べれば分かります。
台木と穂木は、それぞれこんな感じになります。
実際に接ぎ木してみた感想は、ぶどう、イチジクなど枝が太くなりやすい果樹に向いていると感じました。
使い方のコツと注意するポイント(デメリット)
- 穂木は太さを揃える。 ← これは接ぎ木ハサミを使う場合、とくに重要。
- 3~8mmまでの枝を使う。← 5~8mmくらいがやりやすい。
- 刃の中心を意識する。← これ、大事。焦らずゆっくり押し切る。
- 柔らい枝は使わない。← 切りにくく、接ぎ木もしづらい。
- 硬すぎる枝は避ける。イチジクの前年の枝くらいなら大丈夫でした。
- 刃は消耗品なので、切れ味が悪くなったら刃を交換する。交換部品が販売されています。
挟めるギリギリの太さ。
接ぎ木ハサミで失敗するのは、それぞれの枝のサイズが違う場合。つまりほぼ同じ太さの穂木を使えば、成功率がアップします。
この接ぎ木ハサミ、オスとメスを接合するために枝を切り出す道具なので、片方の枝が細いと接合できません。もし太さが違う場合は、このハサミは使わず普通に割り接ぎしたほうがやりやすい(実際にやったみた感想)。
もちろん枝の中心を刃の中心にくるようにしないと、ずれてしまいます。
これでは失敗の原因になるので注意が必要です。ただし今年の柔らかい枝同士で接ぐ場合、数ミリくらいの太さの違いは何とかなります。
枝が柔らかすぎて失敗
接ぎ木ハサミで切るとき、枝がある程度の硬さがないと失敗します。ぶどうの枝、まだ枝が硬化していなかったので、切れずに潰れてしまいました。
おそらくですが、押し切る構造なので柔らかいと切れないのだと思います。布用ではない普通のハサミで布を切ると、刃に挟まるあんな感じです。
ただし新穂の先端に近すぎると枝が想像以上にふにゃふにゃの場合は、私はこの接ぎ木ハサミではうまく切れなかったので、割り接ぎに変更しました。
メデデールテープは強く巻く
あくまでも緑枝接ぎの例ですが、枝がやわらかいので、接いだ後に接ぎ木テープやメデールテープで少し強めに巻けばしっかり密着するのでうまくいきました。
切れ味に少し難があるので、弱めにメデデールテープを巻くと少し隙間ができる可能性あり。密着力をあげるため、切れない程度に強く巻くようにします。
接木ハサミは使えるが適材適所
実際に使ってみて成功したので、使えるのは間違いないと思います。
ただし枝の太さや硬さは選ぶので、不向きな枝を使うと枝の切り出し(押切り)に失敗します。私は本番前に、不要な剪定枝を使って練習しました。
接ぎ木はプロでも100%の成功率ではないので、園芸初心者は失敗を前提に、練習のつもりでやってみるのが良いと思います。
ちなみにこの接ぎ木ハサミを使うきっかけは、はじめての接ぎ木で人差し指の先端をスパッと切ってしまったからです。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。