ブルーベリーの挿し木で増やそうとしても、なぜか枯れてしまう…。そんな経験はありませんか?
実は、挿し木の成功率を下げる「よくあるミス」がいくつか存在します。適切な方法で管理すれば、ブルーベリーはもっと簡単に増やせるのです。
この記事では筆者の経験も踏まえつつ、挿し木が枯れる原因となる6つの失敗と、その対策を詳しく解説します。健康な苗を育てるためのポイントを押さえて、ブルーベリーの増殖を成功させましょう!
※注 挿し木は、2~3月頃におこなう旧枝挿しと、5~6月頃の緑枝挿しという2種類があり、失敗の原因が違うケースがあるので、下記でそれぞれについてまとめました。
旧枝挿しの6つの失敗原因
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茶色の枝は失敗
旧枝挿しが失敗しやすいのは、以下の6点。
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親苗の栄養不足:穂木を採る苗が健康でないと、旧枝の挿し木は全体的に成長が難しくなる。特に、挿し木をする数か月前には、十分な水分と栄養を与えることが重要です。
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環境条件の不適切:温度と湿度が不適切だと、根の成長に影響を与える。特に湿度が低すぎると、挿し木が乾燥してダメになる。
- 根の発根不足: 古すぎる旧枝は、新芽の活力が乏しく発根する力が弱いため根が出にくい。ただし古い枝でも発根は遅いものの発根します。ただし管理が長期になると、失敗のリスクは高くなります。昨年の春頃に伸びて成長した充実した枝がおすすめ。
- 水分不足: 発根したばかりの頃に土が乾燥していると、根が水を吸えず枝が枯れる。また用意した穂木にたっぷり水を吸わせてから挿し木します。
- 病気や害虫: 旧枝は病気や害虫に感染しやすく、これが根の成長を妨げる可能性も。失敗原因としては稀。
- 適切な剪定の失敗:切り口が不適切だと、根の成長が妨げられることがある。枝は良く切れるハサミでスパッと切れば、まずこの原因では失敗しない。刃の太めのよく切れるカッターナイフで切り直しすればOK。
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栄養不足の枝
上記の中で、筆者が挿し木で失敗した一番の原因として考えたのが、穂木を採る親苗の栄養不足。以前、コガネムシにやられたとき念のため、強剪定したとき枝を使ったとき、枯れる枝が続出して成功率が極端に低下しました。
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枯れていく枝
根の細根を食べられ肥料を吸えない状態だったので、栄養を使い果たした枝とも言えます。同時期に健康な枝は成功率が9割以上あったので、やはり発根に栄養が大事だと。
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挿し木に成功しそうな枝
肥料が不足していると、挿し木に失敗しやすくなります。春頃に緩効性肥料を適量与えると良いでしょう。
緑枝挿しの失敗原因
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緑枝挿しに成功した苗
緑枝挿しも休眠挿しと同様に、栄養満点の元気で太い枝が発根しやすく失敗しづらい。ただし、ホームセンター等で購入したポット苗は、栄養状態が分からないので失敗しやすい可能性も。
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枝の選定ミス: 適切な緑枝を選ばないと、発根しにくい。特に、古い枝や弱っている枝を使用すると成功率が低下します。
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切る位置の不適切: 緑枝を切る位置が適切でないと、発根が難しくなる。根元に近い位置で切り、葉を均等に残すことが推奨されます。
- 過剰な湿度: 根が腐る場合があるため、水やりのバランスが重要。
- 光不足: 十分な光が得られないと、根を育てるエネルギーが得られない。
- 発根ホルモンの不足: 発根を助けるためのホルモン剤を適切に使用しないことが根の発根を妨げる。
- 不適切な温度管理: 温度が低すぎるか高すぎると、根の活性が低下する。
これらの要因を考慮することで、挿し木の成功率を高めることができるでしょう。
筆者の場合、どちらかというと時期が少しずれた売れ残りのポット苗を剪定して細い枝も使いましたが、9割以上の枝が発根に成功。苗が百数十本のできてしまったので、処分するのが残念でした。さすがにそんな数を育てるのは不可能ですから。ホームセンターの管理が良かったのでしょうね。ラッキーでした。
まとめ:挿し木で失敗する原因
ブルーベリーの挿し木は、環境さえ整っていれば発根しやすい印象です。難しいと感じるのは、他の植物よりも発根までの日数が長いためだと思います。
乾燥した時期や水やり不足の可能性もあるので、枝を切ったら2時間くらい水にしっかり漬けてから挿し木するのがおすすめ。
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水に漬けたブルーベリーの穂木
イチジクの緑枝挿しであれば、1か月もすれば鉢増しできることも。ブルーベリーだと早くでも3~4か月はかかります。5~6月初旬に挿し木したら、早くても10月頃にやっと鉢増しできる感じ。
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遮光中のブルーベリーの挿し木
近年は6月頃から熱帯のような気温になるので、日当たりの良い場所は日よけに寒冷紗を使ったりして太陽光を遮る必要があります。また朝夕の水やりも欠かせないので、ある程度こまめな管理が必要になります。自宅にいらっやれば良いのですが、そうではない方が大半だと思います。自動潅水や底面潅水など、挿した枝が干上がらないような工夫は必要です。
とはいえずっと水に浸かっていると、枝が腐ってくるので注意が必要です。
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釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。