「このトマト、ほんとに美味しいね!酸味と甘みがちょうどいい!」
「そうだろう?これは固定種のトマトなんだ。甘さだけを追求した最近のトマトとは違って、昔ながらの味わいが魅力なんだよ。」
食べて美味しい野菜を、自分で育てて、さらにその種を採って来年も楽しめたら素敵だと思いませんか?
固定種(在来種)は、昔から日本各地で受け継がれてきた品種で、種を取ることで何年も育て続けることが可能です。少し手間はかかるけれど、その分、育てる楽しさや節約効果もあり、伝統の味を守ることができます。
この記事では、そんな美味しい固定種の育て方から、種を採取する方法、さらに自分で品種改良するポイントまで、詳しく解説していきます
自家栽培した固定種の種で育てる方法
プロ農家でもない限り、一般的な栽培方法と基本的に同じでOKですが、基本的な内容をまとめました。
固定種の育て方
- 適切な土壌の選定: 固定種は有機質が豊富な土壌を好みます。土壌のpHを確認し、必要に応じて調整します。
- 日当たりと水やり: 固定種は日当たりの良い場所で育てるのが理想的です。水やりは土が乾いたら行い、過剰な水やりを避けます。
- 病害虫の管理: 固定種は病害虫に強い品種が多いですが、定期的な観察と適切な対策が必要です。
内容としては、一般的な栽培方法と同じ。
子供の頃、夏になるとスイカを外で食べて、種を飛ばしていたら芽がでて小さなスイカがなったのを経験しましたが、あんな簡単に育つのですね~
ぶっちゃけた話、自家栽培している農家さんはすでに知っているので、ここでは初めて種をとってみようかな~という個人の方を対象に紹介しています。
田舎だったら、おばあちゃんが、そのまたおばあちゃん辺りから受け継いだ種もあるはず。それを大切に育てれば、いつまでもその野菜を美味しく食べることができます。
固定種は楽天市場などの通販サイトでも購入できますが、種の袋にF1と記載がないものは、固定種の可能性があります。
良好な株を残す品種改良
- 食べたら美味しい実のなった野菜を残す。
- 生育が良好で、病気にもならない健康な株の種を採る。
種の選別: 健康で強い植物から種を取ることが重要です。完熟した果実や花から種を収穫します。
種の乾燥と保存: 収穫した種はしっかりと乾燥させ、湿気の少ない場所で保存します。紙袋やガラス瓶が適しています。
- 品種改良について
選抜育種: 固定種の中から特に優れた特性を持つ個体を選び、次世代にその特性を引き継がせます。
交配育種:異なる固定種を交配し、新しい特性を持つ品種を作り出す方法です。交配後は選抜を繰り返し、安定した品種を作ります。
品種改良というと、ちょっと大げさかもしれませんが、実はこれだけで品種が改良されていきます。
なにも最先端のバイオテクノロジーを使わなくても、オールドテクノロジーで人間が長い間、やってきたことをこれからも続けることです。
伝統を守ると言ったら、かっこ良すぎますか?
具体的には・・・
補足すると、白菜などのアブラナ科などは、実が膨らんで枯れるくらいまできたら採種します。それまでは邪魔でも畑に放置してくださいね。
完全に完熟させる
トマトやキュウリなどは、完熟して食べ頃になっても収穫せずに、まだ実らせておきます。そろそろ腐るかもという、一歩手前くらいまで熟してから収穫します。
これ、育てている人なら分かると思うけど、雨が降って畑にいけず晴れた日にいくと、巨大なキュウリが成っているのを見たことがあるはず。畑にそれを転がしておいたら、芽がでてきたことありませんか?
あまり大きくならせると、株が弱り他のキュウリが着果しなくなったりますので、おすすめは収穫してから地上で追熟させます。
きゅうりは受粉していなくても大きくなるので、種が無かったなんてこともあるので、数本確保した方が安心かも。
いかがでしたか、思ったより簡単でしょう?
早速やってみましょう。
種を乾燥させる
採り頃になったら、収穫してトマトならゼリー状のものから種を分けます。
実は収穫して種が混ざったゼリー状のものを、ナイロン(ポリエチレン)の袋にいれて、1~2日くらい放置して発酵させると、種が分けやすくなります。
たくさん種を採るなら、ナイロン袋に入れて発酵させてからの方が分けやすいかもしれません。
これをしっかり除去しておくと、発芽しやすくなると言われていますが、私の感じでは少し発芽が遅くなるけど、芽は出てきます。まあ早く育てたい方は、しっかり取り除いてください。
注意したいのは、種の周りに肉眼で分かるくらいのゼリー状や異物があると、カビが生えるので除去してくださいね。そこまで適当にやる人はいないと思いますが念の為。
ただ最近、気になる情報を目にしました。
簡単にいうと、種苗法で品種登録された植物は、挿し木や挿し芽、接ぎ木は禁止されています。
そこで対処法として、こちらの種を使うと良さそうです。
イチオシ
抜け道があって良かった。ほっとしました。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。