お手軽な取り木ボールを使った方法を試しました。
- 取り木のメリットは、一気に大苗ができる手法。
- 発根するまで木から栄養が供給されるので、その後の成長が早い傾向に。挿し木の場合は発根や新芽を出すために、枝の養分を使うので初期の成長が遅くなります。この差、意外と大きい。
ブルーベリーやイチジクなど挿し木の場合は、10~15cm以下の小苗しかできません。ところが取り木ならいきなり2~3年生クラスの大きな苗を作ることも可能。しかも取り木ボールというアイテムを使うとお手軽。
そもそも農家さんのように、何千~何万本も同時に育成する必要があるなら、挿し木しか方法がありませんが、家庭用なら1~2本を枯れたときのために予備を作る目的だったら、取り木の方が早い。
もちろん念のため挿し木も多少はやっても良いとは思います。
目次
取りきボールを使った取り木のやり方
取り木のやり方。取りきボールを使った方法(初心者向け)
- 元気で健康な枝を選びましょう。枯れていない茎や葉がある枝が良いです。
- 根を出させたい枝の場所を決めたら、その枝の表皮を1cmくらいの幅で皮をはぎます。
- たっぷり水を含ませたミズゴケを取り木ボールに入れて、枝に挟んで固定します。
- 中のミズゴケが乾かないように、晴れた日は水分を補給します。
- 数か月したら、取り木ボールを開けて発根して根が回っていたら枝を切り離します。
- ブルーベリーなどのように発根が遅い樹木、比較的発根が早いイチジクなど、樹木によって異なるので、二ヶ月ほど過ぎたらたまに根を確認すると良いでしょう。
- 根が十分に発根したら、培養土に植えます。根が張っていないので、風で倒れたり木が前後、左右に激しく揺れないようにしてください。
- 葉が多い場合には、摘葉したり剪定して根の負担を減らします。ある程度切っても、挿し木と違い枝が太いので、その後に生育が追い付いて新芽が成長します。
- 2週間ほど半日陰で置いて、葉がしおれないか様子を見ます。その後、日当たりの良い場所で育てます。真夏の場合は枯れやすいので、寒冷紗などで日光を減らします。
- 取り木を植えた後は、十分に水やりを行います。土が乾かないように、土の表面が乾いたら水を与えましょう。
以上が取り木の基本的な手順です。初めての場合は失敗することもありますが、何度か試してみると慣れてくることでしょう。楽しんで取り木に挑戦してください!
取り木ボール
レモンや長めのイチジクなどは、取り木ボールが簡単です。購入した枝が太くて2ヶ所で取り木しました。
サイズは、S M Lの三種類があるようですが、販売ショップによってサイズが微妙に違う気がします。おそらく金型がいくつか存在しているんでしょうね。
私が購入したのは、こちらの大中小がセットになったものです。
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その他にも、いろんなタイプがあります>> 接ぎ木ボール
私はイチジクやレモンにMを使っています。
ただ注意点としては、取り木している間に、予想以上に枝が大きくなるケース。そんなときは取り木ボールを、ワンランク大きいのと取り換えちゃいましょう。その方が、切り離したときに根量が多いので水の管理がしやすい。MだったらLサイズへ。
取り木ボールを使わないやり方
取り木ボールはお手軽ですが、頼んだけれど待てなくてすぐやってみたい方におすすめの方法を紹介します。
脇芽を取り木
伸びた脇芽取り木にします。私の場合は、ペットボトルを使い根際から生えてきた芽を取り木にします。もちろん取り木ボールなどを使っても問題ありません。
挿し木と違い、発根しながら、どんどん成長していくので時間短縮になるので良いですね。
いちじくなどは、発根しやすいのでおすすめ。トマトなどの野菜でも可能です。
ブルーベリーはサッカーを取り木?
ブルーベリーは、樹勢が強い苗や品種によって竹のように少し離れた位置に芽がでて成長します(この芽が成長した枝をサッカーという)。イチゴはランナーが出て増えますが、あれが地下でつながっている感じです。
根がでている木を分割する方法が、挿し木よりかなり成長が早いのでおすすめ。ただ小さな鉢植えだとサッカーが出にくいので、もしでてきたら取り木として大苗をゲットできるチャンス。
とりあえず大きな鉢に植え替えて、サッカーをもっと大きくして根を張らせてから分割すると、失敗が減らせるかもしれません。
根が少ないときに分割すると枯れる危険があるので、もししおれて復活できなさそうなら、早めに枝をカットして水に差して枝を元気にしてから挿し木すると無駄にならないかも。完全にしおれてからだと、挿し木にも失敗するので早めの判断が必要かも。
定植の注意点
大きな枝を取り木にする場合、季節によっては乾燥しやすく葉の蒸散の方が根から吸い上げる水分より大きいと枯れる危険があります。
- 定植した日は、朝から日が差しているときに数時間ごとに苗が萎(しお)れていないかチェック。
- 根が増えるまでは半日蔭で管理する。
- 根の量が少ないのに葉数が多い場合には、適度に剪定や摘葉する。
根から吸い上げる水と葉から蒸散する量のバランスの見極めが必要になります。日中、葉が萎れなければバランスが良い感じだと思います。
もし日陰でも葉先や葉がしおれる場合(取り木していない普通の木が萎れ気味の場合は、気温が高く陽射しが強いため)は、枝を大きくカットする強剪定します。もったいないですが。
そして2週間くらいは陽射しの弱い場所で管理します。そして陽射しの良いところに置いて、その日、日中はまた数時間おきに確認してください。
まとめ:取り木のやり方
この記事では、3種類の取り木のやり方をまとめました。
- 取り木ボールを使ったやり方。
- ペットボトルで取り木。
- サッカーを株分け(取り木)。
取り木ボールは、お手軽なのでおすすめ。
ペットボトルは、出費を抑えたい方向け。ちょっとコツというほどではありませんが、若干めんどくさいかも。
サッカーの株分けを取り木に入れましたが、挿し木と違い根っこがでているので成功率はもっとも高い。
このほかにも、アルミホイルやラップと水ゴケを使った取り木の方法もあります。こちらも低コストです。
取り木は苗の量産には不向きですが、苗が枯れるリスクを分散するという意味で、家庭菜園向きだと言えそうです。
1本では不安。もう1本予備が欲しいことでやってみました。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。