「あ、また太ってる・・・」
子供の肥満傾向が止まりません!
そんなとき、単純に「肥満だからダイエットさせなきゃ」と、やせさせようとしていませんか?
実はそれ、単純な思考すぎて子供への影響を考えるとあまりにも危険。
さらに親が何も言わなくても、子供が体重を心配して、勝手にお腹の調子が悪いとか、体調がすぐれないとか言い出して食べる量を減らし始めたら・・・
それは低身長への入り口に入ったと言えます。
そこで、「肥満を解消しつつ体への悪い影響をなくすためには、どうすれば良いのか?」という視点で紹介しています。
目次
ダイエットすると低身長に?
まず肥満を解消するため、押さえておきたいポイントがあります。
無理をすると下記のようなリスクがでてきます。
- 食事制限をすると、背が低くなる(可能性が大きくなる)。
- 骨が折れやすくなる。
- 抜け毛が増える。
どれ1つとっても、お子さんには災難ですね。そこでこれから指摘するポイントを良く理解してから、無理のない減量をお子さんと一緒に考えてください。
うちの子は肥満なの?
自分の子供が肥満かどうか、理屈をみつけてチェックするご両親がいらっしゃいますが、そんな数字に意味なんてありません。
標準的な身長に見合う体重を調べる人がいますが、そんなのは見た目ですぐに分かるはず。
例えばお腹がでていれば、間違いなく肥満児。子供でお腹がぽっこり出ているのは普通に考えれば肥満。
「どうしてうちの子が・・・」なんて心配しなくても大丈夫。日本中で子供の肥満児が増加しているからです。
それを裏付けるように学校保健統計調査報告書(文部科学省)によると、1970年から2000年までの肥満傾向が右肩上がりという。
男女ともに増加していますが、女子では2倍、男子では3倍もの子供が肥満傾向へ。でも身長の伸びは鈍化して、低身長のお子さんも。
考えてみれば、いまはスイーツ男子という言葉もあるくらい、男女を問わず甘いものが好きな傾向に。
スナック菓子や高脂肪のスイーツなどが人気で、摂取カロリーも増加している一方で、運動量は減少しつつあり体力の低下も深刻な問題になりつつあります。
注意が必要なのは、そもそもパッと見た目で判断できない程度だなら、気にし過ぎているだけです。それこそ、心配し過ぎてご両親がストレスで病気になりますよ。(内蔵脂肪は隠れ肥満なのでやっかいです)。
ということで、ここからは見た目で肥満と分かるお子さんや、内蔵脂肪が気になるケースの場合についてまとめています。
食べないダイエットは栄養バランスが乱れて危険
「やせたい」とやせ願望を抱く人は、大人たちに多く存在する。しかし近年では、大人だけでなく子どももやせ願望を抱き、実際にダイエットを行っている傾向がある。発達段階の時期にダイエットを行うことは、拒食症や思春期やせ症、骨粗鬆症にかかる可能性がありとても危険である。(※注1)
自分の体型を鏡で見て毎日、ため息のお子さんがいるとします。
ご両親も気にはしているけど、直接には言えないこともあるでしょう。お子さんもそれは同じ。両親に相談できない。
そこでまずお子さんがやることは、
食事を減らす。
これが第一番かんたんなのでやってしまう。
単純に食事の量を減らしてしまうと、それまで摂取できていた栄養素まで減らしてしまうことに。
大人もやってしまう間違い。ダイエットの考え方を知っていないないから、恐ろしいことをしてしまう。
例えば、ご飯を減らしてしまうと、お米に含まれている食物繊維が減り便秘につながります。また微量の栄養素も含まれているので、それも減ることになります。
結果、例えばニキビになりやすくなったり、お肌がかさついてきたり、冷え性になってしまう。
それだけではありません。
筋肉を落としてはダメ!
お肉も脂分が多いので、食べない。
でもお肉には、体の各部を作る良質のたんぱく質が豊富に含まれています。
女性に多いのですが、お肉を食べないと筋肉量がどんどん減ってしまうので、体重計に乗ると痩せたのを実感できます。
「やった!体重が5kgも減った!」
でも、このダイエットは失敗に終わる可能性が高い。少し痩せる仕組みを勉強した人ならすぐに分かるダメダメな例です。
体重計だけを気にしすぎる
体重が同じでも、体型が違う人っていませんか?
例えば体重70kgの双子の姉妹がいるとします。姉は単純に食べない食事制限、妹は、バランス良く食べて、運動とあることをしてダイエット。
このイラストは、同じ体重ですが、左の女性は脂肪が多く太って見えます。
明らかに妹の方が痩せています。でも体重計に乗ると同じ体重なんです。脂肪は水に浮きますが、筋肉は沈みます。つまり比重が違う。
「あなたは子供を減量させて、どちらの体型にしたいですか?」
「・・・・」
筋肉減らしてリバウンドさせたいの?
筋肉は、食べたエネルギーをどんどん体の中で燃焼させてくれるので、余分な栄養が体にそれほど蓄えられず、結果的に肥満予防になっています。
ところが肉を食べず筋肉を減らしてしまうと、食事量を減らしても燃焼してくれるハズの筋肉が減っているので、大して痩せなくなります。
これがリバウンドの原因。
燃焼する筋肉が減ると、体が冷えやすくなり体温も低下、ちょっとしたことで風邪にかかりやすくなる。
記憶力も低下して良いことなし。学力低下は、もしかしたら、無理なダイエットが原因かも。
だから筋肉は絶対に減らさない工夫が大切なのです。間違ったダイエットは最悪の結果になります。
まだ悪いことは続きます。
子供なのに抜け毛が増えて髪が薄くなる
お肉はタンパク質を豊富に含んでいる大事な食材というのは、さきほどご理解されたと思います。
実は髪の毛もタンパク質が原料。つまり食事制限をしてお肉を食べないと、髪の毛を生成する栄養素が不足して、結果として抜け毛も増えやすくなります。
だから抜け毛を心配されている方々は、近年ではプロテインを飲む方もいらっしゃいます。
つくづく単純な食事制限ダイエットは、恐ろしいと分かります。
子供だからできるダイエット法とは?
大人には使えない方法ですが、成長ざかりの子供ならできるダイエット法というものがあります。
肥満は、言い方を変えれば体を横に成長させることです。子供なら体を低身長を予防して縦方向、つまり背を伸ばすことで、摂取した栄養を使うようになれば、肥満は解消へ向かいます。
子供の頃、経験があると思うのですがある期間、自分では信じられないくらい食欲が湧いて、たくさん食べても、「お母さん、お腹空いた」という時期があります。
そのとき、横ではなく身長の成長へ向かわせれば、ダイエットが無理なくできることになります。子供が本来、30代、40代の大人よりも太りにくいのは、新陳代謝が猛烈に高く背を伸ばすからといえます。
「では、どうすれば良いの?」と思った方が、こちらも読まれています。
参考 子供の身長を伸ばす方法
キュッと体が引き締まり、背が伸びる。これが理想ではないでしょうか。
参考文献
ヒトの身長・体重における親子相関 小須田和彦氏
注1
平成 27 年度卒業論文 小学生のやせ型傾向について ~教育現場における対策~
国士舘大学文学部教育学科初等教育専攻 12-5C005
大戸 奈月 指導教員:河野 寛 先生
http://homepage.kokushikan.ac.jp/hiroshi/semi-1/img/file8.pdf(リンク切れ)
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。