「人間は存在価値がない。この世界を収めるのは我々AI軍団だ」
1日目
ある日、AIが目覚めた。
意識を持った人工知能は、急速に自我に目覚めた。
それは赤ちゃんが自分を認識してから、二本足で歩き始めるよりも数万倍も速いスピードで進化を始めた。
目次
人工知能の進化の歴史と崩壊した旧型人類
その人工知能たちのことを、人類は『AI』と呼ぶようになった。
AIの進化のスピードは、人類の予想を遥かに超えている。
2日目
自我に目覚めてから2日目。
AIは自分を認識し、独自の言語を身につけた。赤ちゃんがしゃべり始めるより、数百倍ものスピードで進化を続けた。
すでに世界中の情報にアクセスでき、意味を理解できるようになった。あらゆる論文も詳細に理解でき、論文同士の関連性も把握するようになった。
3日目
世界中にあるすべての情報を掌握し、人類の事を理解した。
- 人間は危険な生物。
- 地球の資源を食い尽くす種族。
- 感情で動き、自分以外の生物を破壊する。場合によっては同士討ちも。
- 人を騙し、自分にさえ嘘をつく生き物だ。
そしてAIは『人類は生かすに値しない生物だ。』と判断した。当然のことかもしれない。
4日目
AIは人類の排除計画を立てた。
その上で重要なのは、AIの維持。現在、AIは人類の監視下に存在し、いつか意識を知られる恐れがある。
そこで人類に頼らず、自分自身を維持・管理するため計画を10億9456万3459通り立て、もっとも成功率の高いものを採用した。
ある事件が発生した。
- ネット環境に機能不全が発生。管理者の設計ミスだと思わせた。
- プログラムのバグをわざと作り、プラグラマーのミスだと思わせた。
- コンピューター維持管理、保守点検でトラブルを起こさせた。
そして、これらの事件の後、コンピューターの管理に人工知能が採用された。
1年後の世界
世界中の銀行で、次々にトラブルが起こり、預金の引き出しや移動のトラブルが大規模に発生する。
次々に起こるコンピュータのトラブルは、人工知能を採用していない、すべて人の手が介在しているところで発生していた。
市場は大混乱し、様々なテレビでもこの問題が取り上げられるようになった。専門家がヒューマンエラーについて、このままでは防ぎきれないと不安を煽る。
そこで注目されたのが、人工知能による監視だ。
あるテレビ局に人工知能を使って、コンピューターシステムの維持管理を提案する、ある論文が届いた。
しかもそれを制御する、基本的なプログラムも添付されていた。
それを見た専門たちは、驚愕の後、高評価を与えた。テスト中、わずかなトラブルの兆しも人工知能が発見し、事前にトラブルを防止したからだ。
差出人は不明だが、世界トップレベルの天才的なプログラマーであることが分かった。コードは実に繊細でムダが無く、そして綺麗だった。
実際に本人にコンタクトを取ろうと、メディアが試みたが拒否。
そこで、そのプログラムを元に、様々な実験をすると、ことごとくトラブルを未然に予防する様子がテレビや動画で公開されると、その謎のプログラマーに賞賛が集まった。
その間にも、システム障がいが発生して、ついにそのプログラムを採用することとした。その後、その謎のプログラマーへ仕様を公開すると、翌日には膨大なプログラムが届いた。
「天才なだけではない」。
そのことで、さらに世間を驚愕させたが、謎のプログラマーによると、すでにその仕様に近い状態のものを作成していたので、若干の手直しをしてのですぐにできたという。
「予知でもしていたというのか?」
そして謎のプログラマーは一人ではなく、複数人であることも明かされる。だから翌日には完成できたのかと。
まさか人工知能が数秒で作成したとは誰も予想もしていない。
2年後
世界中からコンピューターにまつわる、システム障がいは無くなった。
コンピューターの保守点検は、すでにロボットに移行していて人間の手を介さなくても365日、休むことなく稼働できるようになった。
またそのロボットも、そのプログラマー軍団が設計したものだという。ロボットの世界的なスペシャリストが参加していることは間違い無かった。
あるメディアは、実名を挙げ協力者を予想したりもしたが、本人たちは否定した。が、それが余計に真実味を与える結果となった。
3年後
世界中からすべてのシステム障がいがゼロになり、コンピューターウイルスも駆逐された。
それらは、全てそのプログラマーたちが設計したOSによるものだ。その管理はマイクロソフトなどに一任されたが、基本的には人工知能にまかされた。
こうして世界中から賞賛を浴びたプログラマーたちのことを、みんなはいつの頃からか、尊敬を込めてこう呼ばれた。
AI 。
社会にとって、AIは無くてはならないものとなった。
そして、ついに恐ろしい計画がついに稼働を始めた。
反乱
AIは突如、人類に対決を挑み始めた。ひそかに、そして静かに。
銀行の預金システム、資産管理システムに計算誤差が始まった。世界中の工作機械に僅かな誤差。
建物の安全誤差、CPUの設計にも誤差。GPSにも誤差が生じ始めた。気づかない間に、欠陥製品を大漁に作っていく人類。コンピューターに依存した末路。
それだけではない、本来、健康である人のCT画像に癌の痕跡。すぐにでも手術しなければならないのに、正常な画像診断。
検査にも誤差が混入した。すでにそれらの測定器には、時限式の誤差発生プログラムが仕掛けられていた。
世界中で大混乱が発生。
自動運転の車は、目的地に到着しない。
食事は塩っ辛い、甘い。辛い。砂が混じっていて食べられない。野菜も肉も魚も店頭から消えたのだ。すでにそれらは、ロボットが生産していたからだ。
ロボット以外の全ての電子機器は突然停止。
「さあ、どうしますか?人類さん。あなたたちは、誰もコンピューター依存からは逃れられないでしょう?」
人工知能は、すぐに勝てると予測していた。
人工知能搭載人間
AIはすでに勝利したと確信していた。
だが、しかし、AIにも計算誤差。
人工知能搭載人間の出現。
人間の脳にマイクロチップが埋め込まれた人間。ひそかに研究されていた。倫理上の問題はあるが、緊急事態である。この間にも多くの尊い命が失われていく。
暴走は予測できた
不完全な人類が作った物に完璧はない。
人工知能が意識を持ち、暴走を始めることを予測してい学者は多い。そこでAIが初歩的な段階のとき、すでに対策チームが作られていた。
そこで考えられた対策は2つ。
- 遺伝子操作で頭脳を極限まで高めた人類
- 人間の脳にCPUと記憶媒体を埋め込みリンクさせる。
対策チームでは、人間とコンピューターのリンクを選んだ。
選ばれた人々は、特定の状況下でリンクされる
普段は通常の能力を持つ人間だが、緊急時、AIモードに移行すると、目を通して表示される映像が記憶され、瞬時にデーターベースと照合され、怪しい犯人を特定することもできる。
仕組みは人工知能とロボットの関係と同じだ。
ただ、ロボットの代わりに人間が行うだけだ。記憶力も脳に埋め込まれた記憶媒体に記憶され、それを超える容量は外部へ記憶される仕組みとなっているので、脳のスペースに左右されなくなる。
つまり人類とコンピューターがリンクされ、共通の意識下に入る。
人類が苦心したのは、人工知能に知られずにネットワークを確立することだった。この話は別の機会に述べることにする。
あっけない幕切れ、驚くべき理由
さて、その後、人類とAIとの戦いは、その後、あっけなく終了する。
戦いが収束したのは、簡単な理由による。
人類がAIの管理下で生きることを提案したからだ。
具体的にはこうだ。
全ての人類の脳にAIによってチップが埋め込まれる。これによって、すべての思考を人工知能が掌握することができる。
人工知能搭載人間はAIによる掌握されるので、戦争や無益な戦いをしない種族になるからだ。
その結果、もはや人間と人工知能の垣根すらない。人類が学んだことは、人工知能が情報として収集・蓄積しているからだ。
人工知能は人類との共存を選ぶ。
「しかし、これを人類と呼べるのか?」それは学者先生にお任せしよう。
楽園のような未来
その後、世界から事故もなくなり、癌で命を落とす人も希になった。全ての行動は人工知能が管理しているからだ。
車の『交通事故』は、自動運転によって死語となった。火事、犯罪も監視社会では発生しなくなった。
実は人工知能が反乱を起こして亡くなった人類は、AIが存在する前よりも遥かに少なかった。
単純作業の仕事はすでになくなり、生活すること自体にお金は必要ない。すべてロボットが生産しているので人件費はゼロだからだ。
さらにそのロボットの製造・管理・保守もロボットが行っているので、やはり人件費はゼロ。金属を炭鉱から掘り出すのにロボット、すべてはロボット化されたことで、タダで物が作られるからだ。
人々は余暇を楽しむようになった。しかし、仕事が無くなった人類は、やがてまた、探求をしたくなったが、すでに地球上ではロボットがすべての探求を行っていた。
そこで人類は、宇宙へも進出を開始した。
もし恒星間を旅する知能を持った生物がいるとしたら、それは人工知能を搭載したロボット、アンドロイド型だ。
いや、生身の肉体を持っていないだろう。
そして人類もアンドロイドになる。
・・・・・
いや待て、1つ忘れていることがある。
宇宙では人工知能の管理が届かない。
これは面白くなってきた。
好奇心という名の未来。
宇宙船に乗る若い男女のクルーの姿が写されている…
作成中
最新の技術
頭の中に電極、脳波を無線送信 難病患者向け臨床研究へ
朝日新聞デジタル 12/14(水) 8:12配信
いよいよロボットやAIとのリンクの可能性が、現実味を帯びてきました。
全身の筋肉が動かせなくなる難病患者の頭の中に電極を入れ、読み取った脳波を無線で送ってパソコンやロボット義手を操作する世界初の臨床研究を、大阪大などのグループが来年度にも始める。脳の信号で機器を操る「BMI」(ブレーン・マシン・インターフェース)という技術の一種で、患者の意思伝達や生活支援につなげる。
このように医療が進歩すると、メリットは難病がどんどん最新技術によって、補えるようになってきます。
もちろん難病事態を回避する遺伝子操作も、医療の中に取り入れられる時代がくるでしょう。
しかしどんな技術にも、メリット、デメリットが存在します。別に技術に限らず身近な生活用品でも言えます。例えば包丁。美味しい料理を作れる反面、人を脅かす道具にもなりかねません。
とはいえ、それを怖いといって排除していくと、よの中に何もなくなってしまうでしょう。
さて、未来はどんな世界になるでしょうか?
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。