「ウソだろう、これ?」
正直、最初に出稼げば大富豪を読んだ素直な感想。
友人が「面白いから1回読んでみて」というから、仕方無く読んだ。
友人は20代で起業したばかりなのに、短期間でかなりの成功を収めていたから、それならと本を買ってみたが・・・。
しかし、最初は胡散臭く(うさんくさく)、読むのを戸惑った。この本は読む人を選ぶのだ。
目次
まさか詐欺?出稼げば大富豪のでかすぎる文字
出稼げば大富豪 1巻の表紙が怪しすぎる。
著者のクロイワ・ショウというのも怪しすぎる。どこの国の人物だろうか。
目次をめくって本文を開くと、いきなり『ガーン』『ウォー』『ドヒャー』と赤文字で、それぞれ1ページを使って書かれていた。
こんな本、よほど有名な人がやるテクニックだが、知らない作者がそんなことをすることにひいてしまいそうだった。
本当に読んで大丈夫なのか?
友人にもう一度、確かめたくなるような始まりだった。
一気に読めたが・・・
いまでこそ、『出稼げば大富豪』は映画化。
この本、出だしだけが大きな文字かと思ったら、文字の間隔はスカスカで、やはり・・
大きな文字が使われていた。明らかに本の枚数を水増ししている。・・・としか思えない。
大抵、文字を大きくしたり改行幅を広げるのは原稿枚数を増やして、報酬を多く受け取るだめだと思ってしまう。
だから1冊の本を、さらっと読むだけなら1時間、普段、あまり本を読まない人でも2時間はかからない。
書いている内容は当たり前のことばかり
読み進めていても、内容はどこかで聞いたことがある内容ばかり。新鮮味は感じられない。
友人がすすめているから、途中で展開が変わるのだろうと期待したが、そのペースで終わってしまった。
正直、そこまで読む価値はない。
良くできたフィクション(作り話)だ。こんな本のどこが面白くて、読みたくなるんだ?
「なぜ、こんな本が映画化されるのか、不思議だ」と、思ってしまうのも無理はない。
ところが、それが覆ることになるのだが、まだこの時は知らない。
お笑い要素はある
登場する兄貴と呼ばれる人物は、大阪出身でお笑いの要素はある。
主人公とリュウという人物の出会いのシーンは、おもしろい。P33~P35に書かれている。
ネタバレになるので、ここでは詳しくは書かないが、ここは素直に笑えた。実際、この人の魅力はこの本だけでは伝わらないだろう。
とはいえ、著者も頑張って魅力を伝える努力をしてるのは感じる。しかしビジネス書だと思って読むと、失敗間違いなしだ。
こんな人は読まない方が良い
「くだらん」
ビジネスの細々としたノウハウを求める人は、この本はゴミ箱に捨てたくなるはずだ。
そもそも書籍に大富豪になる方法なんて、探す時点で間違っている。
頭が良く、何でも計画をしっかり立てて動かないと気がすまない人。こういう人が読んでも、得るものはない。
「世の中のほとんどの奴はバカばかりだ」という人も、読まない方がいい。
何でも批判したくなる性分の人も、読むと気分が悪くなるだろう。
この本は、そんな次元の内容ではないからだ。
出稼げば大富豪の読者対象者
私が思うに、この本を読む対象者は以下の人だ。
- ビジネスに行き詰まっている人。
- 進路に悩む学生やこども。
- 生きる気力が無くなっている人。
- 失敗ばかりで、何も良いことがない人。
- ノウハウ本で、数々の失敗をしている人。
- 何をやっても上手くいかない人。
簡単にまとめると、私と同じ負け組の人が対象者だ。
共感できる人としては、会社の創業者。この人は、おそらく書かれている内容がしっくりくる人だと思う。
読者をかなり選ぶ、やっかいな書籍といえる。
なぜ感想を書いているのか?
正直、私は全く価値のない本を紹介するほど暇じゃない。
この本を上から目線で読むと、くだらない本に見えるが、自分が壁にぶっつかったとき手にすると、違った見え方をしてくる。
実はこの本、その後、何度も読み返すことになった。
そう。この本の読者の対象者になった瞬間、価値のある本に変わる。私は現在、負け組の一人なのだ。
兄貴の変わった視点
この本、実はほぼ実話だった。
しかし、そうと分かってもしばらく、信じることができなかった。
書かれていることが、あまりにも破天荒な内容ばかりだから。
例えば(P70~)『睡眠は悪だ』というところ。
医師や脳科学の分野の人なら、睡眠時間に脳内で記憶を整理したり、体の傷を修復する大事な時間。削るのは悪だというのが今の常識。
それを真っ向から否定して、睡眠は悪だと言い切る人物。
しかし、その考え方に一理ある。
睡眠時間を極端に削るとどうなる?
人間、睡眠時間を削ると寝不足になり倒れてしまう。
ところがもし、ここに体の丈夫な男性がいるとする。少々寝なくても大丈夫な健康的な人物だとしよう。
もし彼が睡眠を極端に削ると、どうなる?
兄貴によると、白目剥いて倒れるくらいの時に、やっと寝るらしい。そうすることで、深い睡眠に入れるという。
たしかに理に適っている気がする。
それを繰り返し訓練することで、短時間で深い眠りに入れる。つまり短い睡眠時間で生活できるようになる。
そういえば芸能人の明石家さんまさんも、1日2~3時間しか眠らないというのを思いだした。
こういう人を、ショートスリーパー(短眠者)と読んでいる。調べると分かるが、百歳を越えた人でもずっと短時間睡眠だった人もいる。
いきなり私たちがそれをすると、車を運転していると事故を起こすので辞めた方が良いが、特殊な環境で訓練をするという意味ではあり。
例えば自衛隊の方などは、そういう訓練は必要かもしれない。売れっ子芸能人も、寝る時間が少ないだろうから、自然とそのようになるのかもしれない。
とまあ、こんなことが本の中にちりばめられているので、実話だと思えなかった。
もし睡眠時間を半分にできたら、その時間を仕事や資格の勉強などに充てられたら、すごいことになる。
人の3倍働く?
「なんでもスピードやねん。金儲けもそうや。儲かる奴と儲からん奴の違いはスピードや。
速い=儲かる。どないやこれ?」(書籍 P80)
- 遅い=儲からない
- 速い=儲かる
どんなビジネスも速い奴が勝っている。
たしかにそうだ。
「では、どうすれば良いのか?」というのがP81以降のページに書かれている。
そう言えば遅い人は、料理店に入ってもメニューを決めるのが極端に遅くてイライラする。
まとめ
出稼げば大富豪 1巻、ずっとあんな調子で、ぶっとんだ理論がおもしろ、おかしく書かれている。
だからビジネス書として、読んではいけない。
読者対象者があれを読みおえると、なんだか分からないけど、やる気がみなぎってくるのを感じるだろう。
登場人物の兄貴が実在しているのを知って、直接、会いに行ったことがある。そこで最初に出会ったとき、驚愕した。
(文 なお)
※兄貴は、いまインドネシアのバリ島に住んでいる。
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釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。