ウナギの完全養殖に、世界で初めて成功しました。
そんなニュースが流れて、「これでウナギが安くなる!」
そう思った方も多いはず。ところが、いまだに実用化レベルに達していません。
何が問題なのでしょう?
ウナギの生態が分かってきた
ニホンウナギがどこで産卵するのか、場所が特定されました。
- 『西部太平洋の西マリアナ海嶺南部の海山の周辺にあると推定』※水産庁のサイトより。
- エサは、その海域のプランクトンの死骸『マリンスノーと呼ばれる動物プランクトンや植物プランクトンの死骸を食べている』というのも、確認されました。
- 産卵の水深は150~200m。
実験室的には、完全養殖に成功
- 卵からふ化させて養殖したウナギは、ほとんどがオスになる。
- そのオスに、あるホルモンを与えるとメス化させることに成功。
- さらに、産卵させて成魚にすることに成功。
良さそうな気がするけれど・・・
完全養殖の流れ
産卵
↓
ウナギの稚魚(レプトケファルス)
↓
シラスウナギ
↓
成魚がまた産卵
このように、試験室のような環境では、完全養殖が実現しています。
「じゃ、早く実用化してよ~」と思いますよね。
まだ問題点がいくつかあるようです。
完全養殖の問題点
- ふ化する割合が低い。
- 稚魚の生存率が低い。
- コストが高い。
- エサが高くて貴重。
- 2時間おきにエサを与えなければならない。← 自動化できる。
解決策はありますが・・・
ふ化の割合が低いのは、ウナギにたくさん産ませれば、何とかなるような気がします。
オスをメスかするためホルモンを与えるのが、手作業のため人件費がかかるというので、機械化できないものかと・・・
日本は、ロボット先端技術があるのに。
稚魚のエサの問題と解決策
現在は、ある特定のサメの卵を与える。
そもそも、そのサメが絶滅危惧種という。これでは、サメも養殖しなければいけなくなる。
解決策の案
- プランクトンの死骸がエサと特定されているので、そのプランクトンを増殖させてエサにできないのか?
プランクトンの培養を行えば、エサの問題は解決できそうです。普通に赤潮とか青潮の原因となるプランクトンを、エサに使えないのか?
おそらく、この程度の素人考えはすでに実験されているのでしょうけど、実用化されていないということは、何か発表されていない、他の原因もあるんでしょうか?
水質の問題点
ウナギの稚魚は、水質が悪化するとダメという。
ろ過すると、コストがかかりますからね。
だったら、温泉みたいに「海洋深層水をかけ流しで使えば良いのでは?」
これも素人考えなので既にテストしているのでしょうね。こっちもコストがかかるのかな。
もし、まだやっていなかったら、早急に実験して欲しい。
水質の問題は、深層水が使えなくても量産化の段階で、大型のろ過システムで一挙に解決できると思うですが。
大手の企業が投資や技術援助で手をあげてくれれば、すぐにでも解決できそうな気がします。
まとめ
私たちが目にしている、研究結果やその実情は、おそらくごく一部であって、その他にも様々な問題点が存在していると考えます。
多くの研究者に参加してもらい、時間を短縮して欲しい。プライドがあって、参入を認めないとか?・・・そういうのも、あるのかな。
資金面なら・・・
もし資金の面や人手の問題であれば、クラウドファンディングなどで、幅広く集める方法も積極的に活用して欲しい。
実現可能性があるなら、政府も一時的に関与して、お金を補助するのではなく、貸すスタイルにしてできないでしょか?
これ、国民に喜ばれると思うけどな・・・
そして1年でも早く、ウナギを絶滅危惧種から開放して、そこそこの価格でウナギの蒲焼きを提供できるようになって欲しい。
今回、この記事を書く理由となったのは、安くウナギを食べたいから、ウナギの完全養殖の現状を知りたかったのと、天然ウナギを釣る人への批判(ウナギ釣りはダメ?資源量と生息地から考えてみた)を、早く解消して欲しくて調べました。
本当のところ、筆者が食いしん坊だから(汗)
他の参考文献:志布志栽培漁業センター 橋本 博さん 第7貝成果発表 「探り、知り、そして活かす水産研究』『完全養殖への挑戦 その2 – シラスウナギの大量生産をめざせ! – 』


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