「ブルーベリーの接ぎ木は太い枝が必須?」そう思っていませんか? 実は、挿し木からわずか2〜3年の小苗でも成功することが判明!
これまでの常識を覆す驚きの結果なのでは?と考えていましたが、実際にやってみると成功しやすいので、これも普通のことかしれません。
ブルーベリーの細い苗で、厳寒期の2月に接ぎ木(挿し木接ぎともいう)を行ないました。
ブルーベリーの接ぎ木と太さ
筆者の接ぎ木のイメージは、成木の枝の根元を切ってそこに接ぎ木をするイメージでしたが、やってみたら小さな枝や、もう少し高い位置でも接ぎ木はできました。

前年に高接ぎしたチャンドラー
他の枝を剪定せず高接ぎ木したので、周りの勢いのある枝に栄養が流れ、あまり成長しないまま花芽がつきました。テストなので、花芽は落とさずそのままにします。接ぎ木した枝は2cmくらいの細い穂木(購入したチャンドラーの剪定した細い枝を使いました)。
接ぎ木に成功したこの枝を、挿し木にするとどうなるのか?
すでに接ぎ木に成功しているので、あとは挿し木に成功すればOK。成功率は上がりそうですね。実際に挿し木しました。それらはまたどこかで紹介するかも。
2~3年生の小苗で接ぎ木
小苗に接ぎ木しましたが、意外と成功率が高く活着しました。

イメージ。赤いテープの位置で接ぎ木。
1品種、1~2本あれば十分(場所が限られてる)という方は、2年くらい前にやった挿し木苗か、買ってきた398~598円くらいの幹が太めの苗に接ぎ木できます。失敗して枯れるリスクはあるので、切った枝を挿し木しておくのも忘れずに。
根がしっかりある苗に接ぎ木すると、その年の成長が早く来年には結実するくらいに成長します(小苗で収穫するかどうかは別問題)。個人的な見解ですが、2~3年生くらいの苗でも十分です。むしろ生育が遅めの品種であれば、根がラビットアイ系の樹勢が強い品種であれば、十分に成長が期待できます。
コガネムシにやられたしわしわの枝を挿し木すると、発根しづらいのは枝の養分がかなり減っていたからだと推測。また弱っている枝も成功率は下がりますね。ちなみにしわしわの穂木は、1日くらい水につけてしわがほぼなくなった穂木を使いましたが、新芽が出るのがおそく、枝の先端から枯れこみが多く成功率は下がりました。枝に蓄積された栄養の量は重要だと思います。
まとめ:ブルーベリーの接ぎ木と太さ
一般的にはラビットアイ系が台木として使われます。しかし樹勢の強い品種であれば、ハイブュシュやノーザンハイブュシュが台木として使えます。
ラビットアイ系は耐寒性が低いので、例えば寒冷地ではハイブュシュ系の台木にラビットアイ系を接ぎ木して栽培できる可能性があります。そもそも台木は、弱いところを補う目的で使われることから、ラビットアイ系が苦手な環境では、逆のパターンも考えられます。
また、早生のハイブュシュ系の台木に晩生のハイブュシュを接ぎ木したり、ラビットアイ系の台木に別の品種のラビットアイ系を接ぎ木しても面白い。
例えばブルーベリーを始めたころに、豊産性で栽培しやすいので育てたラビットアイ系のホームベルに大粒のデライトを接ぎ木したら、来年には収穫できます。品種の更新に使えるわけです。わざわざ抜いて植え替える必要はないですし、広く張った根のパワーがもったいない。
このように接ぎ木は、栽培の幅を広げる技術なので習得すると楽しい。ちなみに筆者は不器用なので、数で勝負で接ぎ木したら、そこそこ成功しました。その後、レモン、みかん、ぶどう、イチジクなどの接ぎ木にもチャレンジしました。

釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。