ブルーベリーの剪定の時期や目的にあった剪定のやり方をすれば、実がたくさん結実したり効率よく木を大きくできます。
この記事では1~3年生程度のブルーベリーの小苗の剪定を中心に、やり方や時期、樹形をつくる誘引などについてまとめています。
目次
ブルーベリーの剪定の時期とやり方
ブルーベリーの剪定は樹形を整え、美味しい実を多くならせるために適切な時期に行います。まずポイントとなるのは剪定時期とやる目的。
ブルーベリー 剪定の時期
結論からいうと、剪定時期はいつでもOK。問題は、なぜ剪定をしたいか、その目的によって剪定時期が異なります。
ブルーベリーの剪定は3月、4月、5月、6月、8月、9月、冬(休眠中)、収穫時期を除くと、ほぼ一年中、剪定できますが、夏剪定と冬剪定と呼ばれる時期にされる方が多い。
※収穫後は剪定しましょう。おすすめは収穫後(夏剪定)と冬剪定。
ホームセンターなどで購入した1~2年生の小苗で、実をならせたくない場合は、冬に花芽を落とす剪定をします。下記はかなり小さな苗ですが、大きな実をならせて販売されていました。
私の場合、買ってきたすぐに上の写真の小苗は(花芽や)実を落としました。初めてのときはもったいなかったですが、来年以降を考えて木の負担を減らすため、実をすべて落としました。
ただし枝は剪定しませでした。春に枝を選定して落としてしまうと、光合成する葉が減ってしまい栄養を蓄えられないので、大きくなりにくいからです。さきほどの苗を買ったのは売れ残り品で5月も中旬以降です。枝をばっさりやってしまうと、その年の成長が遅れると考えたからです。
4~5月に購入した小苗は、花や実だけ落とす。
真冬に購入された場合はmYouTube『かみちゃん農園チャンネル』のブルーベリーの苗を植え付ける前に忘れがちなことに動画のやり方を真似ればOK。1分42秒~から本編。
春の時期の剪定
少し実をならせたくらいであれば、成長が少し遅れるくらいなので、ちょっとは結実させて食べようという考え方も。後述する『ブルーベリー栽培農家の剪定動画』で紹介しています。
内向きの枝は切るのが基本。6~7月頃に伸びた新梢(新穂・新芽)で内向きに伸びや枝だけは剪定(カット)します。内向きの枝をそのままにしていくと、いずれぶっつかり光が入らず陰になり光合成の効率が低下します。
場合によっては枝が枯れこむおそれも。また虫などを発見しづらくなったり、病気の原因にも。内向きの枝は基本的に剪定します。ただし・・・誘引できるのであれば、切らずにすみます(後述)。
下記の緑の矢印は、枝が伸びる方向をしめしています。
8~9月上旬までは、新梢穂の葉3枚くらいまでを選定。花芽がそろそろ出始めるので、来年に少し実を収穫したい場合には、その枝は残します。
もし来年は収穫しないで木を大きくする場合には、込み合った枝を選定しますが、落葉した12月頃に剪定するのをおすすめ。葉が落ちると樹形が分かりやすくなりますし、木に負担があまりかからないからです。
剪定する目的と枝の位置
剪定は目的によって剪定する枝の位置が異なります。
収穫量を増やす目的であれば、枝の先端に近い位置で剪定します。
一方、まっすぐに伸びる強い枝(シュートという)を出したい場合には、強剪定と呼ばれるやり方があります。この方法は、枝をかなり長めに切るやり方です(後述のハサミを入れる位置で解説)。
一方、シュートの先端を数センチだけ剪定すると、枝分かれして花芽も付きやすく結実して収量アップにつながります。

イメージ
枝分かれすると、花芽が増えて収穫量が増えます。ただし枝や木が充実していないと、翌年、実を付けなかったり、枯れる恐れもあるので注意が必要です。
ハサミを入れる位置
剪定する場合、ハサミを入れる位置によって、その後の枝が伸びる方向が変わります。一般的に葉や葉芽を見て決定します。
枝の向きで変わる。下記はシュート(勢いよく伸びる枝)と剪定した後のイメージです。
剪定すると、新梢が葉の向きに3つくらい出てきます(2つの時や1つの場合も)。
枝が斜めのものを選定すると、新梢の伸びる向きが変わることも。
ブルーベリーは品種によって、直立性と開帳性の性質を持ったタイプがあるので、それぞれの特性を考慮して剪定します。下記は直立性の品種です。
直立性で枝が込み合ってくるので、できるだけ開帳して外に広がるように誘引して剪定しています。
剪定すると枝の向きが変わりますが、角度を思たとおりにするのは難しい。
剪定で少しずつ角度は変わりますが、そのためだけに枝を切るより誘引の方が簡単です。
枝を誘引すると伸び方が変わる
先ほども触れましたが、直立性のブルーベリーは、まっすぐ上に伸びやすいのですが、開帳性のタイプは横に広がりやすい。
開帳型の樹形は、場所があれば問題ないのですが、私のように狭い庭に鉢植えすると、人が通れる通路が狭くなり木にひっかかり鉢を倒して枝を折ってしまうリスクも。
そこで開帳性の木を、直立型に誘引します。イボだけと麻ひもを使い、望みの樹形に誘引します。
枝の間隔を考えながら、イボだけが1本でできない場合には2本、3本使ったり麻ひも、イボだけを工夫しながら誘引します。
下記は隣の鉢のイボだけも使いながら、麻ひもを渡して誘引しています。
ブルーベリーの農園や何万鉢も栽培出荷している専門の農家さんと違い、10鉢や20鉢くらいなら、このように誘引するのも頭の体操みたいで楽しいものです。
なお麻ひもは、いずれ風化して切れてしまいますが、その頃には木もその位置で固まって固定される感じです。
樹形を整える
剪定は樹形を考えながら枝を落としていきます。内向きの枝や交差した枝、太陽の光がしっかり当たるように枝を間引いたりします。下のイラストの右側はすっきりしていますが、葉がつくと意外とボリュームがでてきます。
剪定すると枝分かれして、果実がたくさんつくので付けすぎ注意。ちなみに花芽1つから実が8~10個もつけるので、小さな木にたくさん結実させると枯れる危険もあります。
なお花芽が付く9~10月以降に枝を切ると花芽が落ちて翌年、実が成りません。
ブルーベリー栽培農家の剪定動画
YouTubeの園芸系の人気チャンネル『園芸農家イシヅキちゃんねる』で、ブルーベリー栽培農家の石黒さんというプロの方の剪定動画シリーズが大人気。
下記は夏剪定の動画です。最近の剪定動画だけでも良いので、剪定される際にチェックされることをおすすめします。
下記の冬剪定も参考に。
ブルーベリーは大きな苗になるまでは、実を成らさず剪定するのが常識となっていますが、プロじゃない方は「少しくらい食べても良いのでは?」という考え方も。
実をならせなければ、4年後には4倍、5倍大きくなるかもしれませんが、私の場合は大きくなりすぎると置き場所に困るので、逆にならせて成長をゆっくりにさせたいくらいなので、3年目以降は少しずつ食べようという考え方です。
次に『吉瀬園芸』チャンネルの【ブルーベリー2年生苗】成長を優先させるための【剪定】の動画も必見。
成長を優先させて、早く大きな樹形に仕上げるため強剪定をされた動画です。
ブルーベリーの剪定の時期や方法まとめ
剪定と誘引を組み合わせて、希望する樹形に育てるのも楽しい。プロのように効率重視とは違う、家庭菜園レベルのやり方だと思います。
- マッチ棒のような細い枝は切る。
- 隣とぶっつかる枝は切る。
- 内向きの枝は切る。
- 切るのがもったいないと思ったら、誘引できないか検討する。
まずはここから初めてみると、徐々に自分なりの剪定の考え方がまとまると思います。剪定に正解はないので、自分がどうしたいのかを徐々に決めていくのがおすすめ。
あと注意点としては、剪定する前に写真を撮影しておくと、どれだけ切ったのかが分かりやすい。そうしないと、気が付けば枝がほとんどなくなっていたなんてことも防げます。
思いきりも大事ですが、切り過ぎて葉っぱが少なくなれば、成長も遅くなり良い実(美味しい実)もとれません。いい塩梅のところを見つけてください。
三年生の苗を切る場合は、下記がかなり分かりやすい。剪定せずに誘引する解説が8分45秒~から解説されていて必見! 枝を選定せず生かす方法です。


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