ブルーベリーが、この画像のように紅葉していたり、枝がしわしわになっていたら、かなり危険なサイン。
コガネムシにブルーベリーの細根を食べられると、次のような症状がでる可能性があります。
- 木がぐらぐらする。
- 季節外れの紅葉。
- 枝がしわしわ。
- クロロシスもひょっとすると、栄養が吸えなくなった結果の時もあるかも。
私の最近の実際の事例ですが、ブルーベリーが11月も中旬になりティフブルー1本だけが急激に紅葉がすすんでいました。しかも葉が徐々に硬く反り返ってきたり、下向きになってきた。
ちょうど落葉時期で油断していたのもありますが、落葉にしては葉の状態が例年と比べるとおかしい。
さらに数日後、今度は枝がシワしわになってきた(※注 もっと前から、枝がシワしわになってたかも)。
もしや、これはコガネムシ被害かも。細根を食べられると、あるときを境に急に葉っぱが紅葉(変色)してきたり枯れてきます。葉っぱは紅葉というより、褐斑病などの病気もありそう?
ここで、コガネムシが原因かもと考えました。ちょっと遅すぎ。これが夏ごろなら、もっと早く気づけたのですが・・・
※コガネムシの画像がでてきます。苦手な方は(ブラウザバック)戻ってください。
目次
しわしわの考えられる原因
※根腐れの可能性もありますが、時期的に水やりは控えていたので、水切れの可能性もありますが、夏ころからすでに根が弱っていた可能性も捨てきません。
幹の根本を揺らしても、ぐらつく感じはしませんが、それは太い根が張っているだけの可能性も(掘り上げたら、やはり太い根がありました)。
上記の写真を見ていただくと、大丈夫そうに見えませんか? でも細根が見当たりません。
樹の根本付近の表層を掘ってみると、細根が全く見つかりません。下の方には数ミリの太さの根っこはありましたが、細根が見つからない。あまり掘り返さないうちに、すでに息絶えたコガネムシと生存しているものがでてきました。
やば。
11月の初旬にダイアジノン5を散布したので、それで退治できた可能性はありますが、その前に根を食い荒らしていた可能性も。まだ生き残っているのは、薬剤に耐性がついたか個体が大きいのですでに効果がないかも。
思いきって掘り上げて根や土をチェックしたら原因が分かりました。やはりコガネムシ。細根がなくなっていて、太い根も枯れていました。
ここまで悪化すると、復活はほぼ無理な感じ。とりあえず予備の苗(さし木から2年の苗)を鉢植えで栽培しているので、また3年生からの再スタートになりそうです。
対処したけど失敗した例
樹を抜く前の話ですが・・・まだ助かるんじゃないかと、あるあがきをしました。
対策
- 落葉時期の11月下旬ということで、葉をすべて落とした。
- しわしわになっているところまで、枝をすべて切り戻し(剪定)した。強剪定。
- 根のサイズに合わせて、鉢植えに植え替える。← 今回は地植えのままにしました。すでに挿し木して育てた予備苗もあるため、失敗しても問題ないので。
その後の経過
剪定の1週間後、枝のしわしわは進行していませんでした。葉を落として蒸散がほぼ止まったので、根から吸い上げる水分量で足りていると推測。もうそろそろ休眠期。
もしかしたら助かるのでは・・・と、その時は思いました(助かりませんでした)。
剪定した枝は、もったいないので旧枝挿し(さし木)。まだ挿し木できそうな枝にみえます。
下記のような挿し木があと3箇所あるので、おそらく50本くらい。
いままでブルーベリーは緑枝挿しばかりで、休止挿しをするのは初めて。どれくらい成功するか分かりませんが、もともと捨てる予定の穂木なので気楽にできます。成功した苗から選抜して、勢いの良いものを数本残します。成功しすぎると処分のときに悩みそう。
ところがその後、枝先から徐々にしわしわになりはじめました。
コガネムシをチェック
今回の件で、表層を掘りコガネムシをチェックしましたが、1匹を除き発見できず(一匹は表面近くにいた)。根っこの中にいる可能性は十分にあると推測。掘り上げて用土をチェックしたらさらに数匹を発見(コガネムシは寒くなると深く潜るので、表面にいなくても要注意)。
他の元気な樹にも2ヶ所で1匹ずつ、お亡くなりになっているコガネムシを発見。10月~11月に入ってダイアジノン5を散布した効果だと思います。ある程度は効果があって、小さなものはすでに土に返っていたかもしれません(気温が高ければ数週間で、用土に紛れて何か判別できないくらいの状態になるようです)。
掘ればどこにでもいるコガネムシ
私の庭の周辺の地面には、どこを掘ってもコガネムシがでてくる環境。お隣は草まみれの土地(定期的に除草はされているけど、除草されたタイミングで我が家の庭に虫が集まる気がする)。なので、虫も多数がそこからやってきますので、虫の害を完全に防ぐのは無理っぽい。
これは・・・掘り上げて確認するしかない。原因をはっきりさせないと、また同じことを繰り返すかもしれないと。結果的に掘り上げました。
ということで、掘り上げたのが先ほどのこの画像です。
土を落として、枯れた根を切っていったら根がほぼなくなりました。
細根を食べられて水が吸えないのに、いつも通りに水やりしていたので、根腐れに(
なった可能性)。
こうなる前に、日ごろから樹の観察は大切ですね。この状態でももしかすると、来春に復活するかもしれないと、挿し木の要領でポットにピートモスと鹿沼土(1:1)の用土に入れて様子みです。
空いた場所には、このようなときのために挿し木して育てた鉢植えの予備苗を植えました。新しい用土を表層30cmくらい入れ替えました。
助かりそうなケース
全く同じ時期に、同じように枝がシワシワになった樹がもう1本ありました。
そちらも葉や枝を落としても、枝がシワしわになるのを完全には止められず、樹を抜くことに。
この根の状態を見たら「まだ助かる」と思いました。
根が完全に枯れていなくて、まだ水分を吸い上げているような白い細根がありました。しかも細根が残っています。
これなら、まだ十分に助けられます。
近づいてよく確認すると、あちこちに下記の画像でも分かるように細根が生えてきていました。この状態になれば、ほぼ助かります。
すぐ強剪定をして、新しいピートモスと鹿沼土を入れて植えなおしました。
根の状態が良ければ、来春には復活してくれると思います。
土を加湿にしないように、苗の周辺にネグサレタイジという緑肥を植えました。翌年には勝手に枯れて、根っこが水の通り道になってくれるハズ。
緑肥でコガネムシ対策
普通は、鉢植え、地植えに限らず生えた雑草は抜くのが常識ですが、コガネムシ対策のため草もわざとそのままにして、雑草の根も食べさせて被害を遅らせる作戦です。
下記の矢印の先に、ネグサレタイジ(ネグサレタイジは緑肥に適したえん麦の野生種で、キスジノミハムシやキタネグサレセンチュウを抑制し、根菜類の連作障害や病害虫を予防します。)を植えました。
草に栄養は取られますが、その草が大きくなる前に地際からカットして敷き藁代わりにします。私の場合は、8号以上のサイズの鉢植えの場合や地植えでは、緑肥にも使われるネグサレタイジを植えています。
表層にネグサレタイジ(えん麦の野生種・緑肥・ネコブセンチュウ対策)を植えて、コガネムシ対策に・・・効果は薄そうですが、根っこの食害を分散させる目的で効果は不明。
今後は草は無理して抜かず、地上部をカットするだけにして、雑草の根っこも食べてもらう作戦。年2回のダイアジノン粒剤5の散布はきっちり行う。夏前には枯れるので、根は水の通り道になり排水性が良くなるかもと期待。
イチジクのネコブセンチュウ対策にもなる。敷き藁としても使える。
まとめ:ブルーベリーが紅葉!枝がしわしわ
異常を発見したら、直ちに苗を掘り出して根っこの状態を確認して対処します。
今回は樹を掘り上げて土をくまなくチェックしたら、コガネムシを発見。やはりこいつが原因だと思います。
2年前にこのようなときのために、挿し木し予備苗を育てています。すでに購入した時より大きくなっているので、1本は新しい苗に植え替え、1本は助かりそうだったので強剪定で様子見。
用土は新しいものと交換するのがおすすめ。
ブルーベリーの紅葉は、虫ではなく根腐れの可能性もあります。今回はコガネムシがでてきましたが、細根がまだあるケースでは根腐れの可能性もあります。あるいはその両方の影響も。
ここは思いきって掘り上げて正解だったと思います。
もし場所があるなら、予備苗を作っておくのをおすすめします。挿し木OKの品種であれば、挿し木して栽培していれば万が一枯れても復活できます。私の場合は、買ってすぐ小さなポット苗でも、剪定枝を必ず挿し木(登録品種は挿し木できない)してバックアップの苗を作っておきます。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。