ブルーベリーを農園や庭で栽培されている映像を見る機会がありますが、中には草生栽培をされている方がいらっしゃいます。
でもそれ、ブルーベリー栽培ではNGなやり方なんですよ。確かに言われてみれば納得。実は私もやろうとしていたのですが・・・
ブルーベリーの草生栽培がNGな理由
ブルーベリーの草生栽培がNGな理由はシンプルです。その理由は浅根だから。
雑草の根域とブルーベリーは同じくらい。しかも雑草の根の勢いは凄い。どんどん横に広がります。
イチジクのように根が太く深く張る果樹は良いと思うのですが、ブルーベリーは浅根で細根。雑草に負けるわけです。
ブルーベリーの草生栽培のやり方
50年以上もブルーベリーの研究をされた、日本ブルーベリー協会副会長も務められた玉田孝人さんの著書『基礎からわかるブルーベリー栽培』株式会社 誠文新光社のP110(110ページ)の草生法にて、下記このように記されています。
以下、引用。
全面草生法は、多くの果樹では一般的ですが、ブルーベリー栽培では勧められません。ブルーベリー樹と草の根群域の深さは同じくらいで、養水分の競合が激しいためです。
またP109ページの写真に『雑草が株元まで繁茂していると、樹の成長は非常に悪くなる』と。
このことからブルーベリーの株元には、雑草や緑肥などは生やさないようにしないと、成長が著しく悪くなることが分かります。
もし草生栽培をする場合には、ブルーベリーの細根が張っているところまでは、除草をすればできます。
著書ではこのあと、有機物マルチについて記載されています。雑草を生やすより有機物のマルチで直射日光や乾燥から守るのがよさそうです。
またこの記載のあと、株元には木材チップなどで覆い、その周辺までは草生栽培をされている写真が掲載されています。
株元だけは除草して乾燥対策すれば草生栽培できる。
雑草対策
株元以外の雑草は抜かずに、地上部を刈って敷き藁のように敷いておくと、雑草が生えにくい。
雑草は抜いても土内に大量の種があるので、どんどん生えてきてキリがありません。防草シートも良いのですが10年以上の耐久性のものは高価。安いのはすぐに劣化して処分にも困ります。
そこで刈った草を敷く草マルチ、光が遮断されて草が生えづらくなります。ただ草マルチの量が少ないと隙間から生えてきます。私は通路付近に、ネグサレタイジなどの緑肥を植えて、それを敷き藁(わら)の代わりにしています。
段ボールとバーク堆肥を使った、YouTube『ねこひげガーデン』さんの《最短!段ボールで雑草対策!》お金をかけずに手早く簡単に雑草を抑える方法/より簡単で効果的にアップデート!2022年版¥/ダンボールマルチも効果的。
私もテスト実践中。コガネムシ対策はしています。
私の栽培環境は、自宅の庭なので栽培面積が狭く、通色にも根を多少でも張らせたいので、土がかたくなる防草シートは使っていません(予算の都合もあり)が、将来的には導入する可能性はあります。その場合は幅1mのものを使うかも。
まとめ:ブルーベリーの草生栽培と雑草対策
- 草生栽培するときは、株元だけは木材チップやバーク堆肥などで雑草対策する。
- ブルーベリーの根が張っている範囲の雑草は除草する。
この点に注意すれば、草生栽培が可能です。もし生育が遅い、枯れてしまった場合には、この点に注意してください。
私の場合、あぜ板を活用して高畝にして雑草の影響を少なくしています。
参考 あぜ板300Nでプランター!ブルーベリーの地植え栽培!
ただ・・・あぜ板プランターの株元にも草は生えますので、バーク堆肥や木材チップ等は欠かせません。
編集後記
考えてみればそうですよね。ブルーベリーはほぼ細根で浅根。栽培している方なら、誰でも知っていることです。なのに草を生やして草生栽培。
雑草の根とブルーベリーの根が栄養の取り合い。さすがにブルーベリーはあまり肥料を必要としないとしてもです。その上、水分の取り合いまでしてしまう。
酷暑日と日照りが続くと、品種改良をされていない強い雑草は生き残りますが、ブルーベリーは・・・元気がなくなり・・・枯れやすい(個人の感想です)。
そもそもブルーベリーは水が大好きな果樹。もちろん加湿は苦手ですが、適度な湿り気がないと弱り・・・枯れます。
YouTube『数藤農園〜ブルーベリーの森〜』さんの枯れかけたハイブッシュブルーベリーを救え!! またも助っ人参上!?の動画を見ても分かりますが、潅水していないブルーベリーは品種にもよると思いますが、ダメージが周辺に生えている雑草の方が強そう。
数藤農園さん、貴重な動画を公開してください感謝!
その他、草に埋もれたブルーベリー、成長が遅く小さな苗で・・・枯れかけている映像、どこかで見たことないですか?
あれって、雑草と水不足で枯れかけている可能性大です!
でもテレビとか雑誌などで、いろんな野菜や果樹で『草生栽培は良いよ!』って紹介されているから、ブルーベリーでもやってしまいますよね。私もやろうと思っていましたから。ただちょっと水を取り合うのでは?疑問に思って調べてみたら・・・この記事ができたわけです。
あ、雑草が生えていないのに、元気がなかったり枯れかけている場合は、土壌がアルカリ性に傾き酸度不足の場合が問題の可能性が大。
ブルーベリーは、地植えの場合は繊細でデリケートな果樹だと思う。でも美味しくて好き。鉢植えは、水やり以外は簡単だと思います。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。