
筆者撮影:4月になっても芽が出ないブルーベリーの様子
春になってもブルーベリーの新芽が出ない──そんな不安を感じたことはありませんか?
本来、ブルーベリーは桜の咲く頃から芽吹き始め、元気に葉を広げていくものです。しかし、いつまで経っても芽が膨らまない、枝がしおれてくるといった異常がある場合、それは根に問題があるサインかもしれません。
目次
ブルーベリーの芽が出ない原因と初期対応
ブルーベリーの芽が出ないと「枯れてしまったのでは?」と心配になりますが、実は根や環境に問題があるケースが大半です。
この記事では、筆者の実体験をもとに、芽が出ない原因と確認すべきポイント、復活の可能性とその手順までを詳しく紹介します。焦らず、的確に対処するためのヒントをぜひ参考にしてください。
新芽が出ないのは根の異常かも
通常、ブルーベリーは4月上旬ごろから新芽が展開し、葉も伸びてきます。しかし、芽が膨らまず葉も出ない状態が続く場合は、根に問題がある可能性が高く、枯れかけているサインかもしれません(寒冷地では5月中旬以降になる場合も)。
芽が出ないブルーベリー苗のチェックポイント
筆者が実際に行っているチェック方法は以下の3点です。
- 枝の切り口を確認し、緑があるか。
- 新芽が膨らんでいるか。
- 根を軽く掘って、細根があるかを確認。
枝の断面が茶色で緑の部分がない場合は、既に枯れている可能性が高いです。
実例:ピンクレモネードの復活への挑戦
今回の事例は、昨年にコガネムシに細根を食害されて弱っていた「ピンクレモネード」の苗です。2月下旬から芽が動くと思っていましたが、枝がシワシワになり始め、根から水が吸えていないと判断しました。
4月8日に強剪定を実施。茶色くなったシュートを除去し、生きている枝を確認後、その枝は挿し木用に活用。結果として、もっと徹底的に剪定すべきだったと反省しています。
枝の状態を確認する
剪定して枝の切り口を確認しましょう。緑色が残っていればまだ可能性があります。地上から20~30cmを目安に強剪定して切り戻すのが基本です。
枝の観察は、普段からチェックすると早めに異変に気づけます。ただし雨が続く梅雨時期などは見逃しがちですが。
根の状態を掘って確認
新芽が出ていない時点では、少し掘って細根の状態を確認しても苗にダメージは少ないです。細根が見られない場合、コガネムシや根腐れの可能性が高くなります。
小さな鉢や挿し木2年目でポットなどなら、枝を折らないようにしつつひっくり返してチェックする方が早い。
芽が出ない場合の対処法
枝が生きていて細根が残っているなら、剪定と植え替えで復活を試みましょう。以下の手順で行います。
- 枝を20〜30cmで切り戻し。
- 根の先端を軽くカットし、細根の再生を促す。
- 鹿沼土とピートモスを1:1で混ぜた用土に植え替え。
その後は小さめの鉢で管理し、新芽が出てくるか数ヶ月様子を見ます。
復活後の管理と鉢増しタイミング
新芽が出たら一安心。ただし、水分を吸い上げる力が弱い場合は、その後しおれてくる可能性があります。半年ほどで根が鉢内に回るので、9月以降の涼しい時期に鉢増しを行いましょう。
挿し木と予備苗のすすめ
登録品種でない場合は、剪定した枝を挿し木にして予備苗を作っておくのが安心です。筆者は、すでに挿し木から育てた2年目のピンクレモネードを入れ替えて使用しました。今後も予備苗を育て続け、万一に備えています。
なお、市販の小苗(例:398円の苗)でも根付きが良ければ成長は早く、育て直しに適しています。
まとめ:新芽が出なければ早期判断を
最終チェックポイント
- 枝に緑の部分が残っているかを剪定で確認する。
- 根や細根が生きているか、軽く掘って状態を見る。
ブルーベリーの新芽が春になっても出ない場合、根や枝に異常が発生しているサインです。芽が出るはずの時期(桜が咲くころ)を過ぎても変化がなければ、早めに枝や根の状態をチェックし、剪定や植え替えといった対処を行いましょう。
枝が生きていて細根が多少でもあれば、強剪定+小鉢での管理で復活の見込みはあります。ただし、無理に残すよりも、挿し木や新しい苗への切り替えを並行して行うのが効率的です。筆者も実際に、挿し木で予備苗を育てておくことでスムーズな入れ替えができました。
ブルーベリー栽培では、芽が出ない苗に執着しすぎず、早期の見切りと対応が成功の鍵になります。根の確認、剪定、挿し木、植え替えといった基本的な流れを理解しておくと、翌年以降のトラブルも最小限に抑えられます。
芽が出ないブルーベリーに気づいたら、「なぜ出ないのか?」を観察し、迷わず行動に移しましょう。それが結果的に、健康で元気な株を長く育てるための近道になります。

釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。