「フライの自作をしてみたい」と思ったとき調べたら、針をつかむバイスという道具が2万~5万円もするとか、高額道具にびっくり。
できるだけ低予算で、一通りの道具を集めたかったので、自作の方法も一緒に下記にまとめました。
目次
フライを作る道具
自作のフライを作る場合、下記の道具をそろえていくと大抵のものは作れます。(※道具なしで作る方法も最後に動画を紹介)
自作できるものについては、自作・代用できるものは、そのように記載しました。
道具は高価なものを買わなくても、自作または代用できるので、すぐ始められます。
使い方なども、その都度、動画などを参考にされれば、迷うことはないでしょう。
フライ バイス
フライ バイス(注1)は、針を固定して動かない様にするもの。簡単にいうと、針さえ固定する機能があれば(使い勝手さえ我慢できれば)自作もできます。
商品としては安いものは2000円前後、上級者向けの本格的なものは2~6万円(10万円以上する最高級なものも存在する)
細い針もしっかり巻きたい方は、1~2万円のものをおすすめします。
「どれが良いのか、迷ったら?」
ズバリ!長く販売されているものを選ぶ!
ロングセラー商品は、ハズレを引く確率が低く品質が安定してますから。
ウォルフ・アペックスバイス(アンビルAP バイス:メーカーが変更になり名称も変更に)
これはテーブルにポンと置いてできるので、場所を選ばない。また針を挟む部分の精度がキッチリ作られているので、安定して針をつかめます。
初心者の方は最初から、何万円ものバイスを買えないと思うので安いものや自作もできます。
安いものや自作は材料や精度面で妥協しているので、いろいろ不満がでてきますが、たまに使う程度であれば、それほど気にならないはず。
こちらは比較的、低価格なバイス。予算がない方は、取りあえずこれを使ってみるのもいいでしょう。
先ほどもお伝えしましたが、激安なフライバイスの欠点は、針を挟むところの精度や耐久性。たくさんフライを作りたい方や、サビキなど小さな針を使うかたは、いろいろ工夫してください。
大きすぎる針は、バイスに負担がかかり変形の原因になり、小さな針を使えなくなる恐れもあるので、値段に関係なくバイスは、ていねいな取り扱いをしてください。
「バイスはペンチじゃないので、雑に扱わないでね!」ってことです。
通販
これから何十年も、何百個もフライ(毛針)の自作したいと思ったら、迷わず使いやく高性能なバイスを選びましょう。
セールなどで掘り出し物が見つかることがあるので、定期的にチェックしてみてください。
通販・最新価格 フライ バイスを楽天市場で検索する。
※注1 呼び名は、メーカーによって異なります。フライタイイングバイス、フライキング バイスなど。
使い方の動画は下記を参考に。一通りの作業を撮影されているので、下記で紹介する道具の使い方も分かります。
山崎浩明さんの『テンカラ毛針の巻き方』
音声解説はないので、音楽が気になる方は、音楽を消してください。
バイスの自作
最初、バイスを買うのは迷うところ。そこで自作しました。
いくつか作りましたが、結局はお手軽なペンチとゴムを使った自作バイスが、一番、使えました。
見にくいですが、ペンチを手で持つところにゴムを巻いています。高さ調整と、ペンチの固定はしっかりしないと、ぐらぐら動いて手に針が刺さり危険。
ペンチが適度に重いので、クランプで机に固定しなくても動きにくいのが理由の1つ。
100均のクランプ
こちらはダイソーのピンセットを100均で買ったクランプに固定したところ。これは、クランプする力が弱いのでやりにくい。
針の向きを変えれば、固定する力は強くはなりましたが、もう少し改善が必要です。結局、最後は手で作業しました(汗)
本格的に自作するなら止めた方が無難。逆に高くつく可能性があるからです。それなら安いタイプを買った方が、完成度は高いでしょう。
私が使っているバイス
参考 【キャップス】クラウンロータリーバイスの購入レビューと使い方
ボビンホルダー
ボビンホルダーは、バイスと同じで使用頻度が高いというか、無くてはならないアイテム。
これに糸をセットしてフライを巻いていくのですが、なければ手で持って巻いていくこともできます。
ボビンホルダーを使うと便利なのは、針に糸を巻きやすく途中で糸が出るのを止められること。
使い所は、こちらの動画を参考にしてください。
ボビンホルダーの自作
市販品は、それほど高くはないのですが安くしたい方は自作しましょう。
100均のボールペンで字が書けなくなったものを使って、ボビンホルダーを自作しました。
材料さえあれば、5分もかからず作れるでしょう。
私は100均の『糸のこ』でカットしました。ボールペンの先も少しカットしています。
筒状のものを、先ほどカットしたボールペンの先に差し込んで、エポキシ樹脂(ダイソーで買った)で接着。ちょうど真ん中にくるようにする。
接着剤が固まり初めてから、接着した方がやりやすい。
ダイソーなどの百円ショップで入手した針金とミシン糸を使います。(家にあれば、それでOK)。
これはたしか、百円ショップのCan Do(キャンドゥ)で買ったものだと思います。
針金をミシン糸に通したところ。このままでは、糸が止まらないので、ちょっと小細工します。
ミシン糸と針金の中に、ひもを2~3重に折って差し込んでいるだけ!
最初、テスト的にやってみただけなのですが、これがバッチリ。糸を持って自作ボビンホルダーを持っても下に落ちない。
糸は適度に出ていくので、なかなか使いやすい。
ポイントは摩擦抵抗。
適度な抵抗があると、糸が勝手にでないので便利です。市販品は、どれもそのように設計されていますが、自作の場合はちょっと工夫します。
このように私は簡易的に『ひも』を入れて、摩擦抵抗でボビンホルダーが途中で止まるようにしました。摩擦になるなら、ひもでもゴムでも何でも良いと思います。
簡単に自作できるので、やってみてください。材料をそろえるのはめんどくさいので、一気に入手した方が楽。身近にあるもの(ハンガーとか)でも作れますよ。
ちなみにフライ専用の糸は、1色で500円前後と高額。
ハックルプライヤー
羽根を針に巻き付けるときに挟む道具。1個300円なので、自作が面倒な方は購入した方が早い。最初は頑張って手で巻いてもできますが・・・
自作するなら、小型の超強力なクリップを100均で探しましょう。(探すのが面倒なら、市販品を買った方が良さそう)。
ハックルプライヤーがないときは、羽根を手で巻くか、ダイソーのピンセットで工夫して使ってみてください。
高いものではないので、なるべく購入してください。
いろいろな種類がありますが、正直、使い勝手は、実際に使ってしばらくしないと、分からないので、こだわりのある方は何個も買います。
ダイソーの工具コーナー付近にある、このピンセットでも使えるかも。
このピンセットは、普通のものと違い手を話すと、つかめるタイプ。少しつかむ力が弱いかもしれませんが。
ハーフヒッチャー
羽根を針に巻き付けて、最後に糸を結ぶときに使うアイテム。
1個1000~2500円くらいで購入できます。100均のボールペンでも代用できます。
使い方を文書で説明すると「ハーフヒッチャーに糸を巻いて、針に落として、引っ張る」では分からないと思うので、ユーチューバー『Silver Creeks』さんの動画を参考にしてください。
39秒の動画ですが、最初の12秒で使い方がマスターできます!
分かりやすいですね!
ハーフヒッチャーの自作
自作というほどの物ではありませんが・・・
ハーフヒッチャーは、針に糸を巻くためだけのアイテムで構造は単純。
先端が中空で、先端が細くなっていれば、ハーフヒッチャーの代用にできます。私が使っているのはボールペンの外側の部分。
フリクションボール(消えるボールペン)のインクの方も、持つ所を太くすれば使えそう。
本体のボールペン側とインク側を使うと、針の大きさの大小に対応できそうです。
ちなみにボールペンに芯が入っていると邪魔なので、取り除いてくださいね。
身近にあるものを使って、色々試してみるのも楽しい。それでも上手く使えないときは市販品を購入しましょう。
スタッカー
バラバラになっている羽根の毛先を、そろえるアイテム。私はスタッカーは今のところは、必要性を感じていません。
1個700~3000円前後。ただ毛先をそろえるだけの道具に、3000円は高い気がするのは私だけかな。自作もできます。
使い方は簡単で、切った毛の先端を下向きにいれて、机の上でトントントンとやるだけです。
こちらはフライの自作に慣れてから、自作や購入を検討されても遅くはありません。
スタッカーの自作
スタッカーの仕事は、机の上でトントンとするだけのものなので、構造はとてもシンプルなので自作できます。
こちらは中の容器が細くなっているので、選択がより揃いやすい構造です。商品によって、いろいろ形状が違うのは、ノウハウでしょうね。
市販品を真似て作ると手間がかかりそうなので、身近にあるもので、取りあえず厚紙などで簡単に作ってみてはいかがですか?
実際に大中小と三種類を自作して、一番使うサイズを将来的に購入しても良いと思います。何にしても、市販品は高い。
ダビング ツイスター
ダビング ツイスターや、単にツイスターとして紹介されています。
巻き付ける素材をねじる道具。1個数百円~数千円くらいの差があります。
初めての方は1個1000円以下のもので十分。高くても3000円までかな。
基本形に慣れてから、後から買い足しても良いでしょう。
ツイスターを使わず、手で作業される方も多いように思います。自作もできます。
市販品と同じ形状を、取りあえず真似てステンレスなどの針金で作って、微調整すれば作れます。
シザーズ
シザーズは、フライ用の小型の小さなハサミのことです。
ティムコ(TMC) レイザーシザーズ T/Cブレードなんて6000円もするのにびっくり。使いやすいでしょうし、耐久性も高いのでしょうけど、私にはちょっと手が出ません。
こちらは刃の材質がタングステン鋼(T/C)という、最高級のもの。耐久性はギザ刃のものよりワンランク上。
刃が硬いので、硬いところにぶっつけたり、落とすと欠けるてしまうので、取り扱いは丁寧にしてくださいね。さすがに高級品なので大切にしますよね。
TMCレイザーシザーズT/Cブレードの基本設計のままに、ブレードの素材に通常の鋼材を使用したスタンダードタイプは、耐久性は若干劣りますが価格が押させられています。使用頻度がそれほど高くないなら、こちらで良いと思います。
ちなみにこのクラスになると、美容師さんが使うレベルになります。
私は100均の眉毛用ステンレスはさみを使っています。
シザーズの代用『眉毛用のハサミ』
100均の眉毛用のハサミは、少し切るときに抵抗があって硬い感じですが、取りあえず切るという機能を果たせているので、あえて高価なものは購入しませんでした。しかしお値段相応でした。
私は性格が雑なので、もう少しフライの技術を修行してから考えます。
フック(針)
練習されるなら、手持ちのチヌ針、セイゴ針、ダイソーで入手できる大きめの針で試してみるのも良いでしょう。
チヌ針なら2~5号くらい。管付の方をおすすめ。狙う魚の口の大きさに合わせて、針のサイズは変えてくださいね!
フライ専用の針の目安となるサイズ:#12が基準。数字が大きくなるほど、針は小さくなるので注意してください。
小さい針にすると小型の魚も釣れますが、リリースも増えてしまうので持ち帰るサイズが釣れる程度の多い目の針にしておくのがベスト。
小さい針といえば、ダイソーで購入した袖バリを使って、自作のサビキも作っています。
参考 【図解】サビキをサバ皮とハゲ皮を使って自作したら出来た!
フライ専用の張りのメーカーは、どこが良い?
こだわるなら、針と言えば『がまかつ』と言われるくらい、定評のある針です。
下記で紹介しているのは、いずれもがまかつ製のフック。
R17-3FT
- パターンを問わず、様々なタイイングができる、汎用性の高いフックです。
- 14本入り。
C14-BV
- C14-BV 67142
- 20本入り。
- 天然渓流のヤマメ・アマゴ・イワナ狙いのフック。
- 返しがないので、リリースするとき魚への負担が軽減。手返しも速くなります。
よほど激安の針でも無い限り、大抵のものは使えます。
話題のメーカー 土肥富 マルト(MARUTO)
様々な針を専門に製造している土肥富 マルト(MARUTO)さん。
マルト(MARUTO) お徳用フライフック d21(ドライ用ロングシャンク・バーブレス) 100本入り #8~20
参考 (株)土肥富 インターネット通販メニュー フライフック 釣針
かなり真面目に針を研究、製造されているメーカーです。
その他
フライで大事な鳥の羽根や糸などは別途、まとめています。
ここで紹介したアイテムは、私が買いたいと思った時に調べたものです。
いまは海釣りでもフライの技術を使って、シーバスやサゴシなども釣られているので、一度、覚えると応用範囲が広くなります。
バイスも買うにしても自作にしても、1つあれば自作のサビキも作れるので便利ですよ。
安い商品と高額な商品
同じアイテムでも価格差が大きいですが、安い商品と高額の商品にはそれなりに理由があります。
- 精度(加工精度が違う。例えばバイスに針を固定すると、ガタがあるのと、ぴったり動かないなどの違い)。
- 耐久性(材質の良し悪し、硬さなどが違う)
- 使い勝手
改善すれば良い
- 精度面は、工夫して使う。
- 耐久性が悪くて壊れたら、買い換える。
- 使い勝手は、使い方を工夫する。
というように、割り切って使うか、知恵を絞ってアイデアで乗り切りましょう。それでも不満があれば、高級品を検討しても良いでしょう。
ぶちゃけ、手先が器用な人は、道具なしで手でも作れるようです。
不器用な私には無理。その前に近くが見づらい(汗)手もと専用の眼鏡が必要に・・・
まとめ:フライ(毛ばり)に必要な道具
本格的にフライ(毛ばり)を自作するには、様々な道具(ツール)の取り扱いに慣れる必要があります。
特に最初の10本くらいは、非常に時間がかかりますが、それを過ぎると格段に早くなれるので、それまで頑張ってください。
また市販の道具を全部、一気に集めるのが予算的に難しいときは、自作すると取りあえず始めることができます。
詳しくは、下記にまとめました。
参考 毛針の作り方!材料は100均を利用して自作したら売るほど作れる!
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。