「種類が多くて分かりにくいな~。どうせ、全部使うわけじゃないでしょう?」
そうなんです。例えば自動車。
燃料、動力によって、ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車などがあります。
さらにハイブリッド車や電気自動車の中にも、いくつかの方式で分類されています。さらにハイブリッドでも同じメーカーでも型番まで見ていくと、数十種類に分かれています。
でも乗るのは、いまだとハイブリッド車が多いでしょう?もうすぐ電気自動車が多くなりそうだけど。
それと同じで、電子工作で使う抵抗器も種類がたくさんあって、車と同じく細かく分類されてて、初めてのときどれを使えば良いのか分かりませんでした。
でもよく使う抵抗器って、ごく限られているんですよね。
そこで初めての方が分かりやすいように、できるだけ簡単に種類を絞って用途、特徴についてまとめました。
目次
抵抗の種類と用途
抵抗器には、主に下記のような種類があります。
- カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗)←非常に良く使う。LEDライトの改造など。
- 金属皮膜抵抗 ← 精度が高い。予算に余裕があれはこれを使うのが良いでしょう。
- 酸化金属皮膜抵抗 ← 数W程度の小型の電源に使われる。
- セメント抵抗 ← 数ワット以上の電源によく使われる。
- 可変抵抗(ボリューム)← 音声のボリュームなどの抵抗を変えたいときに使う。
- 集合抵抗(抵抗アレイ)← 同じ抵抗値の抵抗器が1つの形状にセットされている。
- チップ抵抗 ← こちらも抵抗器が1つの形状にセットされている。
おそらく電子工作を初めての方は、カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗)が中心になるはずです。あとは、使用状況に合わせて使います。
もちろんユニークな回路を設計されている方は、例えばチップ抵抗を頻繁に使う方もいるので、何をするかで使う抵抗器は変わります。
それぞれの特徴について見ていくことにしましょう。
カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗)の用途と特徴
一番使う!
100円ショップのLEDライトを改造する時などは、カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗)を主に使います。茶色っぽい色です。ちっちゃなコケシみたい。
取りあえず、この抵抗器があれば何とかなるというくらい、どこにでも使われています。
特徴
- とにかく価格が安い。
例)1/4W 10Ω、1袋約100本入りで100円と激安!
秋月電子さん>> https://akizukidenshi.com/catalog/c/cparts/ - 誤差:±5% 10%以上の低い精度のものもありますが、±5%を選びましょう。
±5%の誤差は、電子部品ではあまり高くはないですが、LEDライトなど正確な瀬精度を要求しないものや、家電などにも使われます。
- 電子工作で一般的に使われています。よほど特殊な回路図でもなければ、特別な記載でもなければ、この抵抗器と考えて良いでしょう。
- 1W(1000mW)、1/2W(500mW)、1/4W(250mW)、1/6W(166mW)、1/8W(125mW)などのカーボン抵抗があります。
※一般的に補足 W(ワット)が大きいほど値段が高くなりますが、1/2W~1/8Wまでは価格差はほぼありません。
ネット通販の王手、秋月電子さんでは、抵抗器は1/8Wの取り扱いは少ないので、抵抗は大は小を兼ねるので、特に問題がなければ1/6WでOK。
小ロットで買うなら、こちらの共立エレショップさんが便利。
10本単位ならこのページ。
豆知識
抵抗に流れる電流と電圧のかけ算でW(ワット)数が求められます。
ワット(電力)=電流×電圧
例えば乾電池1.5Vの乾電池3本で、LED(3.6V仕様)に20mAの電流が流す場合、必要な抵抗は45Ω。電力は約0.02W(20mW)なので、1/6W(166mW)であれば十分だということが分かります。
この場合、在庫に同じ抵抗のもので1/6Wがなくて1/2Wがあれば、少し形状は大きくなりますが、それが問題にならなれけば、そちらを使ってもOK。
余裕がある分にはかまいません。逆に700mWもあるのに1/6W(166mW)の抵抗を使うのはアウト。発火・発煙の危険あり! 安全をみて、必ず大きめのカーボン抵抗を使いましょう。
金属皮膜抵抗の用途と特徴
金属皮膜抵抗は、抵抗値の誤差が大きいと困る回路に使います。ブルー、水色っぽい色をしています。
電子工作でちょっとした改造をする程度であれば、金属皮膜抵抗を必要とする場面はあまり多くはありませんが、計測などの用途では必要です。
特徴
- 精度が良い。
±0.5%、±1%、±2%などがあり、炭素皮膜抵抗(カーボン抵抗)よりも精度が高い。温度変化に対する変動が小さいので精度が出せます。
正確な電流制御が必要なときは、酸化金属皮膜抵抗を使います。
- 1/4W 10Ω、約100本入りで300円程度。
- 1W、1/2W、1/4Wなどが主に使われます。
- 電子工作に慣れた方が回路図を書いて、自作するときに活用するイメージです。
酸化金属皮膜抵抗の用途と特徴
酸化金属皮膜抵抗は、電源回路などに主に使われます。
- 精度は±1%が主流。
- 定格電力:秋月電子さんでは、不燃性の3Wのものが入手しやすい。
- インバータ回路、スイッチング電源、ACアダプタ
- 用途としては、自作で電源やACアダプタを設計するのに使われます。
市販のACアダプタよりも長寿命のものを作りたいときなどは、ACアダプタの自作をしたくなると思います。そのときは、酸化金属皮膜抵抗を思い出してください。
ちょっとした改造では使わないと思いますが、小型の電源回路などを見られる機会があれば、部品図などをチェックしてみてください。
セメント抵抗の用途と特徴
セメント抵抗は用途が限定されます。個人ではあまり使う場面は多くはありません。
四角く白い形をしていて、これまでの抵抗よりも大きめ。キャラメルを白くしたような形をしています。
特徴
- 大きな電流を流す回路に使われます。
- 比較的、抵抗値が小さいものを使います。0.1、0.2、1、5、10、100Ωなど。その他にもあります。
- 5W、10W
- 大きい。形状はカーボンや金属皮膜抵抗よりもかなりサイズが大きく重い。
セメントで出来ているわけではありません。
セメント抵抗に電流を流して、乾電池の消費テストをされてのを、どこかで見たことがあるのですが・・・。
電子工作はアイデア次第なので、面白い回路を考えたら、安全に配慮しつつ試してみてください。もちろん自己責任でお願いしますね。
可変抵抗(ボリュームVR)の用途と特徴
可変抵抗(ボリュームVR)は、名前の通り抵抗の値を変えられますが用途は限られます。
身近なところでは以前、ブラウン管のテレビやラジオなどで、ボリューム(つまみ)に使われてきました。
つまみを回して音量を調節するようなところで、可変抵抗が使われます。
百均のLEDの抵抗を変えて、明るさを変えるような使い方もできそうです。ただしLEDに負荷をかけない範囲で使うような工夫が必要です。
集合抵抗(抵抗アレイ・チップ抵抗)等の用途と特徴
集合抵抗は形状によって呼び名が異なりますが、チップ抵抗、抵抗アレイ、チップ抵抗アレイ、DIP型抵抗アレイ、ネットワーク抵抗器は、複数個の抵抗器が一体型になった抵抗器のことです。
この集合抵抗は、同じ抵抗値なので用途が限定されるので、一般には使い勝手は悪いでしょう。あまり使用頻度は高くありません。
狭いスペースに同じ抵抗器を配置するのが難しいときに、便利な抵抗になっています。
汎用のICやセグメントLEDなどを使うとき等にも活用されます。
抵抗アレイ
抵抗アレイの小ロットならこちら。共立エレショップさん。
チップ抵抗の入手先
秋月電子さん。良く利用しています。
https://akizukidenshi.com/catalog/c/cchipreg/
共立エレショップさん。
https://eleshop.jp/shop/c/c110315/
電子部品の購入先
電子工作をしてみたい方は、こちらから通販できます。
抵抗、放熱器、ケース、電源、それぞれ得意な分野があるので、通販されるときホームページを見て確認してください。
見ているだけで楽しい。また初めての方は、練習用にキットで初めてみると良いですよ。
参考 百均のledライトで一番明るいのは改造しないと危険なの?調べて分かった怖い話
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。