根腐れとは、過剰な水やりや排水不良によって根が腐敗し、植物が正常に成長できなくなる状態です。この記事では、根腐れの具体的な症状や原因を詳しく解説します。
※注 排水性が良いとされる鹿沼土とピートモスが1:1の配合で1年前に植え替えて、排水不良で根腐れしました。
ブルーベリーの樹の根元をもってゆすると、グラグラしているのを発見。実は最近、枝がシワシワになっている樹を見つけたので、チェックの意味もかねて調べていたら発見しました。
考えられる原因は、主に2つ。
- 根腐れ
- コガネムシに細根を食害。
下記で紹介する根腐れの症状がでたら、まずは次の対処をした。
- 苗を掘り出し痛んだ根をカットして、小さめの容器に植え替えする。
- 強剪定。細根が痛んで水があまり吸えない状態なので、太い幹や太めの枝は残してすべてカットします。
詳しいやり方は、下記で参考になる動画なども紹介します。
コガネムシを疑うと思いますが、細根を食べられて水が吸えないのに、いつも通り水やりをしていたら、今度は根腐れも併発したケースが多いのではと推測。対処法についてまとめています。
根腐れの原因と対処法
- 排水性が良い用土でも、水を吸い上げる力がまだ弱い小苗や、猛暑日などが続く高温時や樹が弱っていると、用土の水分が減らず根腐れする可能性があります。
- コガネムシに細根を食べられて、水があまり吸えないのに真夏に水やりして用土が加湿になり蒸れて結果的に根腐れに。
ブルーベリーは、水を欲しがる植物ですが簡単に根腐れします。これらを簡単にまとめました。
根腐れの主な原因
-
過剰な水やり
根が窒息し、酸素不足になる。 -
排水性の悪い土壌
水が溜まりやすく、根の呼吸が阻害される。 -
病原菌の感染
土壌中の病原菌(フザリウム菌やピシウム菌など)が根を腐敗させる。 -
害虫の被害
コガネムシの幼虫や他の害虫が根を食害し、根腐れを引き起こす。 -
通気性の悪い環境
密集した植え方や硬い土壌が酸素供給を妨げる。 -
肥料の過剰使用
肥料の濃度が高すぎると根を傷め、腐敗しやすくなる。 -
水分が多い環境条件
長雨や湿度が高い環境で土壌が過度に湿った状態が続く。
これらの要因は相互に関連しており、一つでも問題があると他の要因も影響を及ぼす可能性があります。適切な水やりと環境管理を行うことで、根腐れを防ぐことができます。
根腐れの5つの症状
根腐れの主な症状がこちら(私が経験した時の症状)。
- 新梢が全く伸びない。← まる1年、無駄になりました。ほんとに伸びませんでした。まだ間に合います。
- 先端がしおれる。(水切れと勘違いして水やりして、さらに悪化しました)。ここで気づけば、ほぼ助かります。
- 葉色が悪い(紅葉に似た症状。黄色くなったり赤くなったり)秋だったので紅葉だと勘違いしていました。← すぐ対処すれば、間に合うかも。
- 枝がシワシワ。← かなり手遅れ気味。もしかしたら、助かるかも?
- 枯れてくる。← 最後はこちら。ほぼ手遅れ。復活はかなり厳しい。
最初は肥料不足かと思い、追肥や液肥の葉面散布をしましたが全く改善されず。
樹を揺らせば分かります。根がしっかり張っている樹と、根っこがダメになってるのでは全然違います。
※注 ある程度、太い根っこが張っていると分かりづらい。
ということで、掘り上げた時の画像です。まだ大丈夫そうに見えますが、実は・・・
土を落として、枯れた根を切たら根がほぼなくなりました。
とりあえず、まだ大丈夫そうな枝を挿し木に。間に合うかは不明。
ダメになっている樹がどんな感じなのか、下記の動画が必見です。
YouTube『園芸農家イシヅキちゃんねる』さんの『【神回】果樹沼にハマったご主人が作るお庭と秘密基地の畑を見せてもらえました』という動画の35分58秒~。
根腐れが進行すると、最後は枯れます。まず葉っぱも樹も元気そうに見えても、すでに問題が発生している可能性があります。目視では分からず、樹をゆすってみないと初期段階では分からないですが、グラグラしているのが分かると、すでにかなり悪化して危機的な状況です。
一般的な根腐れの症状を下記にまとめました。
- 幹や根元の不安定さ(初期の症状)
ブルーベリーの樹がぐらつく場合、根が土壌にしっかり固定されていない可能性があります。これは、根の腐敗により植物を支える力が弱まっているためです。特に、幹が柔らかくなったり、触ったときにぶよぶよした感触がある場合、根腐れが進行している兆候といえます。 - 葉の変色や落葉(かなり悪化ですが、まだ復活の可能性がある)
根腐れが進むと、植物が水分や栄養を十分に吸収できなくなり、葉が黄色や茶色に変色したり落葉することがあります。季節的な変化ではなく突然このような症状が現れた場合は、注意が必要です。 - 悪臭やカビの発生(手遅れかも)
腐敗が進むと、根や土から悪臭が漂い、土の表面にカビが発生することがあります。これらは根腐れの進行を示す重要なサインです。
根腐れの主な原因
水のやりすぎ。もちろん用土の排水性が悪いのもありますが、排水性が悪いなら悪いで、水やりを控えるべき。つまり水のやりすぎ。ただし、別の要因もあります。
コガネムシに細根を食害され、水が吸えなくなった状態で水やりをたっぷりされると、用土が加湿気味になり根腐れします。この段階で、コガネムシが逃げ出しているかも。とはいえ、わずかに残っていた細根があれば、ここでトドメをさされてthe end。
コガネムシの場合は、進行が速いというか枯れるギリギリまで葉っぱが元気なこと(季節的な要素もあるかもしれません。梅雨時期の根腐れは、雨が降って葉っぱから水を吸収して枯れるまでの日数が長い可能性も)。
コガネムシではなく、意外と根腐れのケースも。私はブルーベリー用土に、ピートモスと鹿沼土を1:1の用土を使っていますが、鉢がそこに1つしかないプラスチックの鉢等だと、排水性が良くても根腐れになるケースも。また鉢底に水がたまるスペースがある、水切れ対策された鉢が原因で梅雨時期に根腐れしたことも。
このような場合は、強剪定して小さな鉢にすぐ植え替えると助かる可能性があります。私の場合、長期で出かけることがありオニールにこの鉢をつかったら、帰宅したら根腐れで枯れそうになっていました。
強剪定して植え替えたら、生育は2年遅れになりましたが無事に復活できました(ポット苗を買った当初、剪定枝を挿し木した苗の方が大きくなりました)。
- 過湿
水やりのしすぎで土壌が過度に湿り、根が酸素不足になってしまいます。この状態が続くと根が窒息し、やがて腐敗に至ります。 - 排水不良の土壌
水はけの悪い土を使うと、土中に水が溜まりやすく、これも根腐れの原因になります。 - 肥料の過剰使用
肥料の与えすぎにより、根から水分が漏れ出し、根が弱ることがあります。これも根腐れを引き起こす一因です。
根腐れ予防と対処法
- 加湿にならないように、表面が乾いてからたっぷりと水やりします。鉢植えの場合は、鉢を持ち上げて軽くなってきたら水やりします。
- 排水性の良い用土に変えます。
ピートモス5:鹿沼土4:パーライトやココチップ1の割合に。真夏は朝夕の2回はみずやりの必要があるかも。鉢なら持ち上げて確かめて。 - 地植えの場合は、高畝にしたり周りを掘り下げて排水性の改善をする。
下記はコガネムシにやられたときの対処法の動画ですが、根腐れでも全く同じ方法です。原因は違いますが、結果(症状)は似たようなもの。コガネムシに根を食べられるか、腐るかで結果的に細根がなくなるので。
根腐れの発見が遅れる原因の1つとして、支柱でしっかりと樹を固定している場合。風でも揺れないので、たまに樹をゆすってチェックしましょう。
根腐れは、コガネムシと違って多少は根っこの量が多い気がしますが、かなり腐っているので根をカットすると、生き残っている根が少ないこと分かると思います。初期の初期に発見できればベストですが、なかなか症状が進行しないと分からない。
まとめ:根腐れの症状と対処法
ブルーベリーの健全な生育には、適切な水管理と土壌選びが不可欠です。特に、水やりは土の表面がしっかり乾いてから行うことを意識しましょう。また、鉢植えの場合は、持ち上げて軽くなってきたら水やりを。
ピートモスは汚泥化していくので、1~2年で根鉢ができたら定期的に植え替えを行い、排水性の良い用土を使うことで根腐れを予防できます。
注意点
ブルーベリーは乾燥させると、ピートモスが水を吸わなくなり夏は枯れるリスクが高くなります。排水性が良すぎると、1日2回の水やりしないと枯れる恐れも。根腐れと枯れるリスク、バランスがポイント。私は真夏は自動点滴潅水を導入。100鉢くらいなら1万数千円で自作もできます。
水をやり過ぎても根腐れするので栽培は難しい。とくに栽培環境、日当たりや風の強弱、気温、湿度などによっても栽培の難易度は変わるので、初心者の方は慣れるまで難しいかも(環境によっては簡単な可能性もあります)。
植物を守るため、症状や原因を正しく理解し、適切な対策を講じてブルーベリーを元気に育てましょう。経験値って大事。
※鉢植えの場合、水やりしたあと5分、10分してから鉢をもう一度もってみて、軽かったら水をすっていないので、バケツなどに1時間くらい漬けて水をたっぷり吸わせるのがおすすめ。もしかすると、コガネムシも発見できるかも。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。