イチジクは様々な仕立て方がありますが、植える場所の制限によって変えることができます。
一文字仕立ては一般的に、こんな感じです。
しかしこの方法ではなくとも、一文字仕立ては可能です。例えば1本棒になった木でも一文字仕立ては可能です。苗をほぼ水平に植えなおせば(後述)。
この方法を使えば、例えば東に家の壁や塀がある場所なら、上に向かって制限なく伸ばすことができます。イチジクは午前中だけ日が当たる場所であれば、十分に結実させて食べることができます。また酷暑日など真夏の西日を避けることもできます。
水平植えの一文字仕立ても試してみてはいかがでしょう。
仕立て方アイデア
下記は一文字仕立てで、枝を左右に出すやり方でプロ農家さんがやられている方法の1つ。
写真では分かりづらいかもしれないので、イラストで簡略化しました。
枝の骨格はこんなイメージ。
↓
下記の一文字仕立ては、鉢植えや狭い場所で枝を左右に出すほどのスペースがない場合の仕立て方(枝を垂直に)出すやり方で、地植えでやると、徒長枝なので枝が勢いよく出すぎて、結実しにくいと言われています(品種にもよる)。
なおビオレソリエスの場合、地植えで一文字仕立てにすると、結実しづらいとの声もありますが、その場合は摘芯などで改善されます。>>摘芯すると実付きは良くなる
下記は角地に植えた場合のイチジクを、上からみた場合の配置で、片持ち一文字仕立てという感じ。右に向かって枝を伸ばします。
欠点は、大きくなるまで時間がかかること。
イチジクは登録品種(パテント)でなければ、容易に挿し木で増やせるので、密植栽培にすると木を早く完成できます。
例えばこんな感じ(上からみた配置)。
太陽の向きを考えながら、密植栽培すると木が早く広げられ樹形を完成できます。
参考 超密植栽培のメリット
1本棒の苗で一文字仕立て
1本棒のイチジクの苗を一文字仕立てにする場合。
横に寝かせて、一文字仕立てにする方法があります。
秋に曲げて植え付け、翌年の春にでてきた芽を1本反対側に誘引すると一文字仕立てができます。
スペースがあれば、一文字仕立てを大きくもできます。
あくまでも木を真上からみたいイラストのイメージです。
剪定・樹形は、収穫のしやすさと日当たりを考えて決めます。
こちらはブロック塀の前にイチジクを一文字仕立てで植えたイメージ。ドーフィンに向いた仕立て方だと思います。
真上に立ち上げているので、スペースに無駄がなく上方向を有効に活用できます。塀などの隅で地植え、鉢植えする場合に向いています。デッドスペースを有効に活用できます。
この方法は上に向かって思う存分、伸ばしても陰になるのは壁や塀だけですので問題ありません。うまく活用すればグリーンカーテンのようにできるかも。
注意点としては、塀の向こうに家がある場合は日陰になるので、近隣とのトラブル注意。できれば自宅の家の壁側が安心です。
一文字仕立て等の問題点
一文字仕立ては、少ない樹で多くの収穫量を得られるメリットがある一方、根元をカミキリムシにやられると全滅の危機に。
とくに庭でイチジク栽培をする場合、その1本が枯れてしまうと収穫量はゼロに。確かに商業的には良いかもしれませんが、数本しか植える場所がなければダメージが大きすぎます。
そこで自宅の庭でおすすめなのが、次に紹介する超密植栽培です。
イチジクの超密植栽培
イチジクの樹形を1本仕立てにして、株間を狭くする栽培方法です。
イチジクを一文字仕立ての樹形が完成するまで、3年以上かかります。大きな樹形にするにはさらに2~3年かかることも。
それまで収穫量が多くは見込めません。そこで1本で樹形を大きくするのではなく、密植にすれば2年程度で樹形が完成します。
デメリットとしては、苗の本数が多く必要になりますが、挿し木で容易に増やすことができるので、苗の準備さえできれば、この栽培方法が最適です。
その他のメリットとしては、カミキリムシ対策です。1本で大きな樹形にした場合、根本が食い荒らされると全滅する可能性があります。また最初から栽培するのに年数がかかります。
その点、密植栽培であれば、2年で復活させることもできます。またダメージも、その1本なので収穫量の低下も最小限に抑えることができます。
問題は芽かきの間隔です。>>イチジク栽培の秘訣!芽かき間隔は80cmがベストな理由 ←これをミスすると収穫量が変わります。
園芸レベルであれば、枯れた木の隣の木を使い、2本仕立てにすれば、その年から収穫が見込めます。その間に鉢上で苗を準備することもできるので、大苗にしてから植え付けできます。
なお、この方法をさらに進化させた方法を、専業のイチジク栽培農家さんが実用化されています。
YouTube『藤井農園』さんの【いちじく革命】ハウスいちじくの栽培について!で詳しく解説されています。こちらは溶液栽培の実例。
地植えの場合、『「Noriさん」いちじくVlog/「Nori」Figs Vlog』さんの【イチジク栽培】5倍密植も参考になります。
まとめ:イチジクの新しい仕立て方アイデア
趣味の園芸であれば、自由な発想で仕立てても良いと思います。庭の大きさや形に合わせて、仕立て方を考えるのも楽しい。
私の場合は、カミキリムシに枯らされたので、密植栽培に切り替えつつあります。もちろん密植にしても全滅する可能性もあります。たくさんのカミキリムシが集まってくれば、どんな栽培方法でもリスクはありますが。
いつでも地植えがカミキリムシにやられても良い様に、すぐ植えられるように待機させています。
地植えが助かって、鉢植えがやられる場合もありますが、それなら被害は低いので気分は楽です。
収穫時期以外も、定期巡回は欠かせないと思います。私は朝の水やりの時などを利用して、株本を中心にチェックします。昨年も1匹、イチジクをかじっているところを発見しました。
まだ産卵前だったようで、かじられただけで終わりましたが、短時間で産卵するようなので油断できないですね。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。