釣った魚を持ち帰ったときに「生臭い!」と感じた経験はありませんか?特に夏場や長時間の釣行では、魚の鮮度が急激に落ちやすくなります。
持ち帰り方が悪いと、せっかく釣った魚も店頭の魚よりも鮮度が劣ってしまうことも。魚を美味しく味わうためには、釣り現場での処理や移動中の保存が重要です。
本記事では、プロのように鮮度を保つためのテクニックを紹介。正しい締め方や氷の使い方など、鮮度を維持する方法を徹底解説します。
目次
釣った魚の鮮度を落とさない方法
下記の手順通りに行えば、鮮度を落とさずに持ち帰れます。
小魚編
- クーラーボックスに魚が浸かるくらい海水を入れます。
- たっぷりの氷を袋に入れてクーラーボックスへ。
袋に入れることで海水が薄まらない。凍らせたペットボトルでもOK。
魚を袋に入れても良いですが、その場合は袋にも少し海水を入れてください。
魚を冷えた海水で冷やすこと。魚が冷えた後に海水を抜くのはOK。
大事なので繰り返します。必ず冷えた海水で魚を冷やしてください!
実はたったこれだけで、鮮度を保って持ち帰れます。海水と氷さえ用意できれば、プロの魚屋さんの魚に負けない鮮度あるいはそれ以上で持ち帰ることができます。
なんといっても魚市場を通さす、直ですからね~。
間違った魚の持ち帰り方
これダメ!
- クーラーボックスに(板)氷と魚を入れるだけ。
これは間違い!
このやり方は氷と接触しているところは氷焼けして食味が低下(不味くなる)。また氷から離れているところは冷気だけで冷やすため、冷えるのに時間がかかります。要は氷で冷やされた空気だけで、魚を冷やしているのです。
この持ち帰り方をすると、家についた頃には魚が生臭くなってしまいます。
- 海水を入れず真水に氷を入れるのもNG
浸透圧の関係で魚のうまみが水に逃げてしまい、せっかくの魚が不味くなります。必ず釣った場所の海水を使いましょう。
「さっきと、どこが違うの?」と思った方は、ちゃんと読まれていませんね。
ではなぜ、氷をクーラーボックスに入れるだけではダメなのか?
それは空気は熱が伝わりにくいからです。袋に入った魚を冷蔵庫に入れても、すぐには冷えませんよね。
これは空気の熱伝導性が非常に悪いからです。逆にこれを応用したのがポットや水筒です。
ジュースやお茶を冷やすときでも、冷蔵庫に入れてもキンキンに冷えるまで1日くらい時間がかかります。
氷水に入れれば、30分ほどで冷えます。アルミ缶だったら、氷の中で回せばわずか数分で冷たくなります。
だから魚は氷水で直接冷やさないと、魚が冷える前に鮮度が落ちます。いくらクーラーボックスの中に入れても、空気だけで冷やしては鮮度が保てないのです。特に大型の魚や大量にアジなどが釣れた場合。
氷海水が一番!
水の中で泳がすのもダメ
いけすではないので泳がせず、活きている間に海水氷の入ったクーラーボックスに入れて鮮度を保ちましょう。
釣った魚を、しばらく水汲みバケツの中でずっと泳がす釣り人がいますが、これはダメ。
真夏の暑いときは、水もすぐにお湯になるので魚も温かくなり、すぐに腐ります。せっかく鮮度が高い魚を手に入れられる魚釣りなのに、意味がなくなります。
あじ釣りなどは、1匹ずつクーラーボックスに入れていると冷気が逃げるので中、5分くらいを目途にまとめて入れるようにします。ただし真夏で、すぐ水がお湯になるような気温の場合は、すぐクーラーボックスに入れましょう。また水汲みバケツの水は雑菌が繁殖しやすいので、こまめに交換しましょう。
ちょっとしたコツ
私がよくやるのは、袋のままアミエビをバケツに入れて海水を冷やします。そこに釣れた魚を入れるようにします。
水ではなく、海水で冷やす理由
水だけで冷やすと、浸透圧の関係で魚がふやけてしまいます。
袋に入れた氷と海水を入れるのが正解。
もちろん塩分調整すればいいのですが、そこまで神経質にしなくてもOKです。
大事なのは、魚が完全に海水に浸るようにすることです。
海水で氷を作るとベスト
一番のオススメは数日前に、濃度3%の海水で氷を作ります。塩水は氷になるのに時間がかかるので、少なくとも数日前には凍らせるようにしてください。
海水の氷だったら、とけても海水なので浸透圧で魚がふやけるのを防げます。
まあ、この方法は面倒なので、氷を袋に入れればOK。
帰宅するとき
海水が入ったままでは重いので、魚が十分に冷えていたら袋に魚を入れて、氷を別に入れてもOKです。
すでに冷えているので冷気だけで、魚の鮮度が保てます。
鮮度が落ちるのは、魚が冷えるまでの時間が長いからですから、氷水で冷えれば後はそれほど神経質にならなくても大丈夫です。
心配だったらクーラーボックスに、氷と海水を少し入れておけばいいと思います。
氷が魚に直接、触れないようにするとベスト。
帰路が遠い場合は、途中でコンビニなどで氷を買って、クーラーボックスに追加してくださいね。
ちょっとしたコツその1
我が家では、卵を発泡スチロールで保存するあるコツを使って長く持たせています。これは魚を持ち帰るときにも使えるので、良かったらこちらも参考にしてください。
ちょっとしたコツその2
イチオシ
凍らせたペットボトルを使うと、水が溶けて薄まらないので良い感じに冷えます。
ペットボトルにタオルを巻いておけば、魚に直接触れないので、氷焼けを起こすこともありません。
お腹を出すと刺身で食べられる
内臓(おなか)を出して持ち帰ると、さらに鮮度が保てます。
雑菌が繁殖して、腐敗が始まるのは内臓と血液。それさえ取り出せば、臭みも抑えられ、刺身で食べられる鮮度を保てます。
グレ、サヨリ、アジ、アイゴなどは持ち帰っても、刺身で十分美味しく頂けます。
大型の魚の場合
大物が釣れたら、活き締めして血抜きをして持ち帰ります。
活きている間にしないと意味がありません。
元気な間に、一気に眠ってもらいます。クーラーボックスでバタバタ暴れると、魚が傷んで腐りやすくなります。
さらに締めると完璧です。>>鮮度を最高に保つ!血抜きと神経締めの方法まとめ【動画あり】
まとめ:釣った魚の持ち帰り方
- 氷を袋に入れてから、その氷をクーラーボックスに入れる。
- クーラーボックスに海水を入れ、その中に魚を入れる。大型の魚は血抜きしてから入れましょう。内蔵も取り出せればベスト。
- 臭いが気になるなら、魚を袋に入れ、袋の中に海水を入れましょう。
クーラーボックスは浴室で洗いますけどね。
簡単な方法ですが、これで刺身で食べられるくらいの鮮度が保てます。キスやハゼなどを、完璧に鮮度を保つなら、こちらの方法をオススメします。
大型のマゴチなどは、こちらの方法がオススメ。>> マゴチの鮮度を最高に保つ!血抜きと神経締めの方法まとめ【動画あり】
こちらの最強の真空パネル式のクーラーボックスは凄いです。
あ、そうそう。大きなチヌなどの魚が爆釣したときは、こちらの方法も使ってください。
下記の記事を読めば、さらに釣りに詳しくなります。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。