ネコブセンチュウ(根こぶ線虫)は、野菜や果樹の根に寄生して栄養を奪い、植物の成長を著しく阻害する厄介な害虫です。ミニトマト、きゅうり、ナス、ゴーヤ、オクラ、ネギ、さらにはブルーベリーやイチジクなどの果樹にも被害が広がります。
根を抜いたときに、根にコブのような膨らみがあることで初めて気づくケースも多く、見逃しやすいのが特徴です。本記事では、筆者の実体験を交えながら、効果が高いとされる「太陽熱消毒」「農薬」「マリーゴールド(フレンチ種)」の三大対策を詳しく解説します。
目次
ネコブセンチュウの症状と見分け方
ネコブセンチュウに寄生された根には、異常に大きなコブが形成されます。マメ科植物に見られる根粒菌のコブとは異なり、病的で不自然な膨らみが特徴です。
被害が軽微なうちは気づきにくく、放置すると年々被害が拡大する恐れがあります。家庭菜園では、長靴やクワなどの農具を介して畑全体に広がることもあるため、早期発見と対策が重要です。
【体験談】熱湯消毒でも防げなかった実例
唯一、ゴーヤだけは根にコブができながらも生育を続け、10月中旬まで実をつけてくれました。ゴーヤの生命力には驚かされました。なお、きゅうりは接ぎ木苗を使っていれば結果が違ったかもしれません。
ネコブセンチュウ対策はこの3つ!
ネコブセンチュウの被害を防ぐには、複数の対策を組み合わせることが重要です。ここでは、筆者が実際に試して効果を実感した三大防除法をご紹介します。
① 太陽熱消毒(高温期限定)
真夏の晴天が続く時期に、畝を整えてたっぷり水を撒き、透明ビニール(例:ダイソーの穴なしマルチ)で覆うことで、地温を上げて線虫を死滅させる方法です。
- 雑草の種子や他の病害虫にも効果あり
- 消毒後に深く耕すと雑草が再発するため注意
- 元肥や苦土石灰を事前に混ぜておくと◎
デメリット:真夏以外の季節では効果が薄く、寒冷地や暖冬の影響を受けやすい点に注意。冬場は「寒起こし」も併用するとよいでしょう。
参考動画:ニャハハの家庭菜園|太陽熱消毒のやり方
② ネマトリンエース粒剤(農薬)
ネコブセンチュウに効果がある農薬で、播種や定植前に土壌に混ぜ込むことで予防効果が期待できます。
- 苗がすでに侵されている場合は効果が限定的
- 苦土石灰や元肥と一緒に混ぜて寝かせると効果的
- 取扱説明書を必ず守って使用しましょう
太陽熱消毒と併用することで、より高い効果が期待できます。
③ マリーゴールド(フレンチ種)
③ マリーゴールド(フレンチ種)の活用
マリーゴールドはセンチュウ(線虫)対策として広く知られていますが、品種によって効果に大きな差があります。特に「花が咲かないフレンチ種(緑肥用)」は、根から分泌される成分(α-ターチニエールなど)によってネコブセンチュウの密度を抑制する効果が高いとされています。
ただし、植えるだけでは効果は限定的です。センチュウ抑制効果を最大限に発揮するには、栽培後にすき込んで土壌に混ぜることが重要です。根が分解される過程で有効成分が土壌に広がり、センチュウの密度を減らす効果が期待できます。
- コンパニオンプランツとして混植するだけでは効果が出にくい。
- 数作にわたって栽培し、すき込むことで密度を下げる効果が高まる。
- オオタバコガなど他の害虫も寄せ付けにくいとされる。
なお、花が咲く品種ではオオタバコガの幼虫による食害が確認された事例もあります(※フレンチ種ではない)。そのため、花が咲かない緑肥用の品種を選ぶことで、他の害虫対策にもつながる可能性があります。
参考動画:農の共有|マリーゴールドの品種と効果
まとめ:ネコブセンチュウ対策は早めの行動がカギ!
ネコブセンチュウの被害を防ぐには、以下の3つの対策を組み合わせるのが効果的です。
- 太陽熱消毒
- 農薬による予防・駆除
- フレンチ種マリーゴールドの活用(予防・密度低減)
太陽熱消毒は他の病害虫にも効果があるため、複合的な防除策として非常に有効です。野菜だけでなく、ブルーベリーやイチジクなどの果樹にも被害が広がるため、早めの対策が重要です。
いずれにしてもネコブセンチュウは、しっかり対策しないと駆除は難しくなかなか厄介です。

釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。