いちじくの鉢植えと地植えはどっちがおすすめなのか論争。果樹は良く議論されます。
結論からまとめると、大きな実をたくさん食べたい収穫したいのであれば、鉢植えより地植えが断然おすすめ!その理由を下記にまとめました。ただし鉢植えのメリットもあります!
またそれらのメリットやデメリットについてまとめました。いちじく栽培の参考になれば幸いです。最後に驚くべき密植で、たくさんの品種を栽培できるヒントとなる動画も紹介しています。お見逃しなく。
目次
いちじくの鉢植えと地植えのメリット・デメリット
いちじくは、短期間に大きく成長する果樹です。そのため鉢植えと地植えのメリット、デメリットがはっきりしていると言えます。また葉がほかの果樹より大きく、蒸散が多いのも特徴です。
いちじくの鉢植えメリット
鉢植えのメリットはたくさんあります。
- 木(樹)の大きさをコンパクトにできる。
- 鉢を移動できるので、木の間隔を自由にできる。← これは意外と大きなメリット!
- 結実しやすい。
- 複数の品種を栽培しやすい。
- 甘い実を収穫できるかも(枯れるリスクはある)。
- ベランダや庭の片隅でも日が当たれば栽培可能。
- 土壌からの病虫害の影響がほぼない。
限られたスペースでいちじく栽培されるなら、鉢植えがおすすめ。
鉢植えのデメリット
いちじくの鉢植え栽培はメリットがたくさんありますが、気になるデメリットもあります。
- 夏場は水切れしやすい。
葉が生い茂る真夏は、朝晩の水やりを忘れると枯れやすい。もし助かってもダメージが大きく、葉が黄色くなり落葉、その後の成長がかなり遅れます。近年の異常気象はキツイ。雨が数週間も降らす35℃以上が1か月近くも続いたり。もし何日か留守にされるなら、自動潅水システムの導入をおすすめします。1万円以下で可能です。
- 木を大きくするためには、それなりの大きな鉢が必要ですが、大きくなるほど土の重量が重くなり植え替え方が大変に。移動もしづらくなります。
- 収穫量はそれなりですし、実も地植えと比べると小さめ(下記に2分程度の動画を紹介)。そのうち、大きい実が食べたくなると思います。
- 植え替えるときに毎回、培養土や赤玉土、腐葉土や鉢などが必要です。
- 鉢を固定していないと強風で倒れる。
YouTube『ちゃぼさんのイチジク』のこちらの3分38秒~鉢植えの植え替えシーンがありますが、大きくなるほど大変になってきます。動画内の鉢は15号(推定38L前後)。
地植えのメリット
- 水やりは基本的に不要。異常気象で雨が数週間も降らないというケース以外では、基本的には水やり不要です。ただし地下水が低く、乾燥しやすい場合には水やりする必要はあります(場所次第)。異常気象は予想不可能。さすがに夕方になってもしおれていたら、水やりしてください。
- 木を大きくできるので、収穫量を増やせる。← このメリットは大きい!
- 毎年、植え替えしなくても良い。← これも大きい!
- 培養土や腐葉土等、植えるとき以外は基本的に必要なし。コスパは良い。← 冬に堆肥を入れると、収量増につながる。
地植えのデメリット
- 連作障害や土壌を介しての病害虫のリスクは増えます。例えばネコブセンチュウなど。初めて植える場所であれば、リスクは少ないと考えられます。
- 植え付けると移動はできません。移植することや鉢植えに戻すことはできますが、木が大きくなると鉢も巨大になるので現実的ではありません。強剪定して木を小さくするなどすれば、やれなくはない。
ただし5メートル、8メートルにもなった一文字仕立ての枝などは、バッサリ剪定しないと鉢植えできないので、枯れるリスクが高くります。鉢も巨大になるのでかなり困難だと思います。地植えから場所を移動してまた地植えであれば可能。
もし鉢に戻すくらいなら、登録品種、パテント品種でなければ、挿し木した方が早いし失敗のリスクもほとんどありません。鉢植えに戻すのであれば、まだ木が小さい位置にした方が無難。
このようにみていくと、地植えのデメリットって、実はあまりないんですよね。
収穫量を増やせる地植えの魅力
いちじくは成長が早い。品種によっては、室内で1月頃に挿し木をしたら、その年に結実するくらい成長が早い。鉢植えでも挿し木して、秋には1mをかるく超えてきます(鉢が大きければ)。
いちじくをたくさん食べたい方は、地植えがおすすめ。
YouTube『果樹栽培ch』さんの【イチジク】地植えと鉢植え・プランター栽培 果実品質の違いという、わずか2分の動画ですが、地植えの魅力が素敵にまとめられています。
鉢の大きさと成長の違いについても参考に。土が多いと根量が増えるので、樹が大きくなります。
50Lくらいになってくると植え替えも大変で、それなら地植え・・・したくなってきますが、水やりをこまめに管理できる方、植え替えや根っこのメンテナンスを毎年できる方は、そのままの鉢サイズでも栽培できます。
鉢植えから地植え
大きな実をたくさん収穫したい!
もし迷ったら、まずは鉢植えで育てて木が大きくなってきてから、地植えを検討しても遅くはありません。鉢である程度の大きさまで育てれば、地植えするとすぐ根を張り大きくなります。
私が地植えするきっかけは、たくさん食べたくなったから。植え替えいらず。意外と楽です。
場所があれば鉢植えで様々な品種を栽培できます。ただし、実際に育ててみると、この品種は甘いけど酸味がもう少し欲しい。この品種は酸味が強すぎる。この品種は好きな味なので、もっと食べたい。
このように実際に栽培していく中で、もっとたくさん食べたい品種が見つかったら、場所があれば地植えで木を大きくして楽しめます。
鉢の数が多いと毎年の植え方が大変で、木を大きくするには10号、25号、50号とどんどん大きくなってしまいます。一人で植え替えするのも大変に。地植えだったら、その手間がなくなります。
剪定すれば、木の大きさも制限できるので、その場所に合わせて育てられます。
デメリットは、たくさんの品種を植えられないことですが、近年、複数の品種を接ぎ木する方法で、そのデメリットをなくそうという栽培方法もあります。
趣味であれば、そういうやり方もありかもしれません。ただ品種によって樹勢が違ったり、接ぎ木は失敗する場合もあるので、何度かやり直す必要が手間と感じるかも。
しかし、吉瀬園芸さんの『【イチジクの接ぎ木】1本で複数品種を楽しめる多品種接ぎのススメ』の動画を見ると、簡単にできそうな気がしてきます。
地植えのやり方
私の場合、鉢植えで植えていた高さより10cmくらい深く掘ります。
あとは鉢植えと同じで腐葉土と赤玉土を入れます。
赤玉土は中粒の安いのを使っています。硬質があれば、そちらの方が良いとは思いますが。良く混ぜてくださいね。
ちなみに2×1mくらいの面積、深さ30cmくらいの範囲に1週間ほど前に腐葉土や堆肥、苦土石灰を入れて寝かせていました。これが大変でした。また水はけを考えて3箇所ほど、深さ50cm直径15cmくらいの穴を掘って堆肥などを入れています。
下記は今年の6月に挿し木して1m以上になった苗を選定して芽を3つ残しています。ちょっと土地が変形なので、一文字というよりT字になるように仕立てる予定。
一文字のやり方は『果樹栽培ch』さんのこちらの3分15秒という短めの動画が、非常にシンプルで分かりやすい。
この動画のやり方を一文字ではなくT字になるようにします。
まとめ:いちじくの鉢植えと地植え
鉢植えか地植えか、どっちが良いのか?
いちじくは、地植えがおすすめ。収穫時期は、毎日のように食べたいので私は地植えもします。
ただし、いろんな品種をすべて地植えする場所はないので、食べて美味しかった品種については地植え、それ以外のものは鉢植えにしています。例えば、桝井ドーフィンは地植えにして、実が小さいホワイトイスキアは鉢植えなどに。
また病害虫によって枯れるリスクも考えて、植え替え用に鉢植えにもしています。一番いいのは、鉢植えも地植えもすれば最高。
- スペースが確保できるなら、たくさん収穫できる地植え。
- 多くの品種を栽培したいなら鉢植え。
YouTube『「Noriさん」いちじくVlog/「Nori」Figs Vlog』さんの【イチジク栽培】5倍密植という動画で、地植えで密植栽培という方法が紹介されています。この方法を使えば、地植えでもたくさんの品種を栽培できそうです。
また鉢植えで、さらに多くの品種を植えるアイデアを、下記の『藤井農園』チャンネルの動画で見つけました。
鉢植えでまっすぐ1本仕立てにすれば、スペースをそれほど取らないので、たくさんの品種が植えられそう。風で倒れないように支柱で固定する必要はありますが、剪定や芽かきも簡単そうです。
カミキリムシの被害にあっても、被害が少なく抑えられます。
私は田舎に住んでいるので場所は多少ありますので、地植えと鉢植え、両方楽しみます♪
住むには不便なところもありますが。
こちらを読むとさらに詳しくなります。
釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。