「出る杭は打たれるって言われるけど、今の時代は積極的に発言した方が良いよね?」
「はあ?、あんたバカなの? 新入社員は、これだから困るわ」。
新入社員は、まだ空気感が分かっていないようです。
先輩や上司の意見に対して、「自分の意見を言う」というのは、もちろん悪くはありません。間違っていません。自分の考えを述べるのは大切です。
しかし、出る杭は打たれます。
出る杭はバランス感覚が欠けている
社会人1年生。大学の出身や偏差値は、全く使い物にならなくなる瞬間です。
社会にでれば実績ゼロ。
一方、先輩や上司は数々の経験を積んでいる。その差は歴然。それが自信に。
現状は、目に見えないですが大きな差があります。
そこでもし新入社員が、
- 「すみません。それ、間違っています!」。
- 「おっしゃることは分かりますが、こちらの方が良いと思います」。
などと、出しゃばる人は、先輩から目の敵にされます。入社早々、リストラ候補、1番のりにになるかもしれません。
自分が正しいことだと思っていて、実際に正義だとしても、それを言葉にしたり態度に出してしまった時点で、あなたは危険人物に認定される恐れも。
上司が考える新入社員の理想像
先輩は、数々の失敗や苦しい仕事を乗り越えて今があります。
泣きたいことや、実際に隠れて泣いていたこともあるかもしれません。お客様に怒鳴られ、バカ呼ばわりされても、ぐっとこらえて乗り越えてきています。
そんな俺に「お前は、何を意見してるんだ!」と、例え口に出さなくても、そう考えていてもおかしくはありません。
実際、私は新入社員のとき、自分の方が正しいと思いましたが、グッとこらえました。後に自分がベテランとなっても、さらにベテランの人に意見を言ったら・・・
「言うだけで気に入らない」と大反発されてしまいました。
つまり意見を言うだけで、気に入らないというのです。これでは議論の入り口にも入れません。それを正義感をかざそうものなら・・・終わり。
最終的に説得は諦め、私は自分が正しいと思った方法でやり抜き、結果を出していったので、その先輩も私の真似をするようになりましたが、謝罪なんてありません。
その先輩にもプライドがあるので、謝罪できないことくらい分かります。相撲協会の貴乃花親方の事例でも、組織論から見ると勝ち目がありませんでした。
出る杭は打たれる事例は、探せば山のように見つかるハズ。それが分かっているなら、出ないことです。
ただしアップルの創業者、スティーブジョブス氏のような能力や覚悟があれば止めはしません。
新入社員が考える理想像
出る杭はダメだと分かっていても、どうしても一言余分にしゃべる人はいるものです。性格的なこともあるでしょうが、頭の中にある理想像が高すぎるからトラブルメーカーになります。
「先輩、自分は○○が良いと思います!」
「お-、それ良いじゃないか。よし、それ採用しよう!」
な~んて事を期待しているわけです。しかし、現実は、そんなことにはならない。
「お前な、もうちょっと経験をつんでからものを言えよ。
そもそもお前は、○○がダメだ、○○は、ここがダメだ・・・・」と、いつのまにか、お説教になっていることも。
ところが、世の中、そうはなっていません。
例えば、これまでの会議などを見てください。前向きな内容がどれだけありましたか?
あなたの周りの上司や先輩って、普通の一般人ですよ。それを理解していれば、理想的なことを他人に期待できます?
私はとても出来ません。
もちろん希に、立派な上司もいると思いますが、そういう人って、いつのまにか左遷されてませんか?
冷や飯、食べさせられてませんか?
もし、いまは大丈夫だとしても、いずれ出る杭は打たれます。
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バランス感覚の素晴らしい上司
少し、否定的な流れになりましたが、もちろん素晴らしいバランス感覚を備えた上司はいます。
新入社員の頃は、ぐっとこらえて上司のいうことを、忠実に聞いて実行する。
自分のスキルが向上するまで、ひたすら自分を磨き続ける。汚いことをしなくちゃいけないこともあります。
例えば今まで数十年、取引をしてきた取引先や下請けを切れと命令され、泣く泣く取引を停止して、その会社が倒産することもあるでしょう。
そうやって命令に従いつつ、上司の信頼を得て自分の役職を上げ権限を強くしていく。そうやって、いずれ上司を超えて自分の理想とする会社にしていく。
これがバランス感覚のある上司であり、理想とする新入社員のはじまり。
ここでいうバランスとは、時系列で物事を判断できる人のことです。チャンスをつかむまでは現状は理解を示し肯定しつつ、腐らず実力をひたすらつける。
そしてチャンスが巡ってきたら、それをつかんで離さない。素早い行動がカギになります。
歴史上の人物は、そうやって歴史の教科書に残る人物になっています。
戦国時代、織田信長公に、「700人を見殺しにせよ」と部下 豊臣秀吉に命じて、それを実行した。無理難題に次々と答えて、実力をつけてチャンスを者にして天下人にまで上りつめました。
もし、理想を実現したいなら、力をつけることを最優先に。
もう1つの選択肢 起業
しかし、これまで述べてきたことは、数十年という時間がかかります。
「そんなに待てない」。
それどころか、そんなことをしていると、会社が無くなっているかもしれません。そういう可能性もあるので、自分にあった会社や上司を探して転職する方法もあります。
あるいは起業して、理想を実現する方法もあります。
幸い日本は自由主義社会、やる気と実力さえあれば、上に登りつめることも十分に可能です。
ある国の子ども達は、裸足で今日、食べるものもない、電気もない生活をしている方と比べると、とても恵まれていますので、本気でやる気があれば、チャンスを掴める可能性はあります。
いまの会社で腐るよりは、別天地に行くのが早いかもしれません。人手不足で食べていくだけなら、就職先は山ほどあります(2018年4月現在)
まとめ
『出る杭は打たれる』
理不尽だろうと、それが世の中。しかも今までの自分の行動やこれから先の行動を、俯瞰(ふかん)して観察していると、きっとあなたも出る杭を打とうとしている自分に気づくはず。
「こいつ、生意気だな。まだ何もできないくせに」と。
結論。
- 新入社員は、わざわざ杭を出さずに、地下で養分を蓄えて反論できる立場や実力を身につけるまで、じっとしている。
- 我慢できないなら転職して自分にあった環境を探す。
- 起業する。
いずれを選択するにしても、相当な覚悟が必要です。先輩の中で、志がある人は自分を隠して行動しているはずです。
あ、重要なことを忘れるところでした。
ほとんど何も考えずに行動する人もいるので、十分にご注意ください。
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釣りやレモン栽培などをきっかけにブログで発信。子供の頃から母親に教えてもらい野菜の栽培や挿し木などの方法も学ぶ。40坪ほどの畑を借りて100種類ほどの野菜を栽培していた経験も。現在は庭で趣味の園芸を楽しむ。